「古き良きダンディズムをご照覧あれ」007 ドクター・ノオ 猿田猿太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
古き良きダンディズムをご照覧あれ
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1962年、第1作というか、シリーズ最古の「007」と呼ぶべきでしょうか。映像も古いというか、素朴と言っちゃいたくなる空気感、そんな中にこそ輝かしい、若きショーン・コネリーの古き良きダンディズム。
のどかな南国に流れる陽気なサンバ、踊る若者達のシルエット、なんだかユーモラスな盲目の三人・・・が転じて、実は暗殺者。一瞬にしてフェイク、フェイク、トリック、フェイクのスパイ劇に転じる辺り、流石は人気シリーズの先駆けと言ったところ。
映画の流れも飽きさせない、美しい南国から転じてSF映画のような放射能研究所?へと舞台を写し、囚われとなったボンドを豪華な客室に迎え入れるボス「ドクター・ノオ」のニヒルなユーモア、応接に深海の巨大な魚が展望できる窓があったけど、なんだか漫画『銃夢』のムバディが火星の王女を迎え入れたシーンを連想してしまった。あんまり関係ないかな。関係ないか。
ラストは大勢のエキストラを使っての大パニック、巨大建造物の爆発シーンまで、時代的によく撮ったなと驚きの連発。そしてエンディングは海上に戻って美女を片手に、さわやかに。
これぞ「007」、これぞ「ジェームズ・ボンド」、素晴らしい――って、シリーズを真面目に見たのはこれが初めてだけど。
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