劇場公開日 1980年6月14日

世界崩壊の序曲のレビュー・感想・評価

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3.0『序曲』のタイトル通り世界の終わりの始まりまでが描かれた作品で題名に偽り無し、であるも3つあるバージョンは...?

2024年6月29日
PCから投稿
鑑賞方法:その他、TV地上波

この作品は、劇場公開からしばらく経ってTV放映された際の吹き替え版で、初めて鑑賞した作品だった。

これまで、『ポセイドン・アドベンチャー (1972)』以降、『タワーリング・インフェルノ(1974)』、『スウォーム (1978)』、『ポセイドン・アドベンチャー2 (1979)』と欠かさずロードショー公開時に鑑賞し続けて来たアーウィン・アレン氏の作品だったのに、である。

本来ならば、どう考えたってこの作品のキャストとスタッフからしたら、自分的にはこの当時観ないことなど考えられないような選択とさえ思えるのに....

それというのも、今作については公開当時も伝わってくる評判が芳しいものでは無いうえ、アレン氏の二本前の作品である、やはりオールスター・キャストだった『スウォーム』を大劇場で鑑賞し、次の『ポセイドン・アドベンチャー2 (1979)』までロードショー公開時に鑑賞しているものの、いずれも期待したかつての『ポセイドン・アドベンチャー』ような感動には及ばずといったところで、何だか嫌な予感がしていたということもあり、ついに今回はロードショーでの鑑賞を見送る事としたのである。

結局、『恐怖の報酬』の時と同様に、ロードショー公開で鑑賞してきた映画好きの友人の感想に委ねる形にして、それによっては後追いしてロードショー公開での鑑賞に踏み切るか、2番館以降での上映で鑑賞するとかを考える事にした。

しかし、その感想というか、また聞いた内容についても、気持ちを萎えさせるのには十分なものだった。
何しろ、「『世界崩壊の序曲』という題名通り、世界の終末までは描かれている事なく、その予兆である災害までが描かれた作品だった。」と聞かされたからである。
「えっ!、ウソ〜っ!?」と何度も聞き返してしまった.....

結局、ガッカリ度が大き過ぎて、いずれの形でも劇場に足を運ぶことはなく終わった。
が、完全に忘れ去ることはなく、いつまでもシコリのように頭の隅に残っていたのも確である。
そして劇場公開から4年後の、1984年7月の『日曜洋画劇場』にて、ついにその鑑賞を果たしたのであった。

TVでの鑑賞だったので、元の109 分から10分以上はカットが施されていたのだろうと思うが(時間枠延長だったかは記憶に無い)、恐らく劇場で観ていたとしたら、出演陣の顔ぶれも『ポセイドン・アドベンチャー2 』は今ひとつだったので今作は、『ポセイドン・アドベンチャー (1972)』と『タワーリング・インフェルノ』のメンバーを再登場させたような、焼き直しの如き構成である印象を免れなかったのでは無いかと思えた。
ストーリー的にも、概ねこの2作品をなぞらえているような展開に感じる。

しかし、こうした内容の事は「覚悟していた」ので、大きな期待をする事もなく割り切って鑑賞したこともあり、むしろ逆に、ポール・ニューマン=川合伸旺氏、ウィリアム・ホールデン=近藤洋介氏、アーネスト・ボーグナイン=富田耕生氏といった、いつもの聴き慣れた方々がアテた心地よい音声での鑑賞ということで、印象を良いものとしてくれたという事は大きいだろう。

こうした、作品との最初の”出会い方”により、作品に対しての印象が違ってしまう事はあると思う。
確かに、「期待値上げて、ロードショー公開時に安くは無い料金を支払っての鑑賞」だったとしたら、先述の友人のように「ヤラレタ〜」とばかりにゲンナリさせられていたであろうと思う。

参考までに、日本での劇場公開版は本国での興行成績や評判の悪さによって元の121 分から109 分に短縮されたインターナショナル版である、英語タイトルが"The Day the World Ended"と変更された版で公開されている。(フリードキン『恐怖の報酬』と同じパターン。)

現在発売されているこの映画の DVD 等は(基本的に)すべて、短縮されたインターナショナル版に統一されており"The Day the World Ended"版になっているが、原題が "When Time Ran Out" となっているバージョンが121 分の、本来のアメリカで初公開されたときのものである。

因みに『ポセイドン・アドベンチャー2 』と同じように、本国で劇場公開から4年以上経ってからTV放映時に初公開された拡張版で英語タイトルもまた『Earth's Final Fury 』と変更されたバージョンでは、劇場版では未公開の約 40 分の追加映像が含まれていることが知られており、『ポセイドン・アドベンチャー2 』と本作の評価も、この別編集「特別延長版」では違ったものになってしまいかねず、「何で初めからコッチでやらなかったの?」といった余程のマニアしか知らない世界もあったりする、映画はいろいろな意味で「奥深し」ということで.....

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アンディ・ロビンソン