聖なる酔っぱらいの伝説のレビュー・感想・評価
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お酒で紛らわす人生・・
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44歳で亡命先のパリで病死したオーストリアのユダヤ人作家ヨーゼフ・ロートの自身の想いを吐露したかのような小説(1939年死後出版)の映画化。暗い過去を背負いセーヌ川の橋の下に暮らすホームレスに起きる奇妙な出来事を走馬灯のような回想を交え淡々とつづってゆく。悪人でもないし粗野でもないので感情移入できなくはないがホームレスの境遇を思うと心静かと言う訳にはいかない。異国の地で孤独で酒に溺れ若くして死んだ原作者の苦悩が作品ににじみ出ているかのようで気が重くなる。迷える羊に神は何度となく手を差し伸べるが真の救いは御許に召させることだったとは・・。ベネチア国際映画祭(1988年)で金獅子賞をとったくらいなので観る人が観れば違うのでしょうが、楽しい気分にさせてくれるお酒ではないことだけは確かです。
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