「モラトリアムから目覚め大人になるその過程」青春群像 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
モラトリアムから目覚め大人になるその過程
青春時代は誰しも時間が濃密だ
人は一面だけの存在でなくたくさんのカラーを持っている
フェリーニは映画というプリズムに青春時代を通すことで、5つの青春群像に光を分光して観せてくれた
5人の行動は青春時代に誰しも心当たりが有ることばかりだろう
ファウストの行動など映画的な誇張はあったとしても男なら誰もが何かしらの経験者のはず
30歳にもなって実家住まいで職もなく、働いてもろくに続かない、今で言うところのニートそのものだろう
大人になりきれない大人
早朝3時に駅に仕事に向かう10歳位の少年が一番大人だ
そんな彼らもようやく大人になろろうとしている
早朝列車に乗るモラルドに5つのスペクトラムは大人の顔になったモラルドに再び集まり汽車に乗って大人の世界に走りさるのだ
長すぎた青春時代は終わった
いやしがみついていただけだ
赤ちゃんを抱いたサンドラを連れ帰るファウストはお父さんの顔になっている
ナレーションのとおり他の3人も大人になるのだ
モラトリアムから目覚め大人になるその過程
フェリーニはこの変化の過程を見事にフィルムに焼き付けてみせたのだ
さすがの手腕という他ない
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