劇場公開日 1994年12月3日

「揚げ足取りは野暮。楽しんだもの勝ちのハイパーテンスムービー。」スピード Y.タッカーさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0揚げ足取りは野暮。楽しんだもの勝ちのハイパーテンスムービー。

2023年3月2日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

緊迫したシチュエーションをただただ数珠繋ぎにしていった作品で、公開時映画館で観た時はそのテンポの良さも相まって刺激的で凄く楽しかった。しかし今回久しぶりに観直してみると、兎に角めちゃくちゃな展開で、もはやそれはもう詐欺レベルでメッキが剥がれていくという(笑)。
まぁなんしボロがドンドン出てくる展開ではあるが、逆にいえばその花火のような刹那さこそが本作の魅力。エンターテイメントとはハッタリを如何に巧みに消費させるかという風に考えれば、その点でこの映画は改めて大成功だったと思う。
サイコパスを気取った終始おバカな悪役で、デニス・ホッパーがベテランならではの手練れの演技でハッタリをかましてくる中、キアヌ・リーヴスが行動力があって向う見ずというステレオタイプのヒーローを精悍に熱演。そんな典型的なヒーローの典型的なバディ役でジェフ・ダニエルズ、2人の頼もしい典型的な上司をジョー・"ダイソン"・モートンら名バイプレイヤーの的確な助演でメインキャラクターを支える。そこに屈託のないヒロイン、サンドラ・ブロックの気っ風の良い演技が加わって、教科書のような王道のアンサンブルで全編見せていく。まぁ結局はどんな揚げ足取りも、この映画の強烈なエンターテイメント性の前では野暮ってなもんなのだろう。これぞ楽しんだもの勝ち映画の代表作。

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Y.タッカー