ストレンジャー(1996)
劇場公開日:1996年6月15日
解説
美しき犯罪心理学者を襲う恐怖を描いた、エロティックなサイコ・ミステリー。「ゆりかごを揺らす手」「ギルティ 罪深き罪」「ビジター 欲望の死角」と、この種のジャンルを得意とする女優レベッカ・デモーネイが、初のエクゼクティヴ・プロデューサーにも挑んだ主演作。監督はロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの創設者であり、映画・TVの分野でも活躍する英国演劇界の重鎮で、これが初のハリウッド映画となるピーター・ホール。脚本はルイス・グリーンとジョーダン・ラッシュのオリジナル。製作はハンガリー映画界出身のアンドラス・ハモリと、「暴走特急」のジェフリー・R・ニューマン、マーティン・J・ワイリーの共同。カナダのトロント・ロケを中心としたダークな画調が効果的な撮影は、「ジャーニー・オブ・ホープ」のハンガリーの名手、エレマー・ラガリー。音楽は「キャリー」「殺しのドレス」「レイジング・ケイン」などブライアン・デ・パルマ監督のスリラー作品でおなじみのピノ・ドナジオ、美術はリンダ・ロザリオとリチャード・パリス、編集はロベルト・シルヴィ。共演は「デスペラード」「暗殺者」のラテン系セクシー男優、アントニオ・バンデラスがヒロインの相手役を務め、「潜望鏡を上げろ」のハリー・ディーン・スタントン、「ザ・インターネット」のデニス・ミラー、トニー賞受賞のブロードウェイの名優レン・キャリオウらが脇を固めている。
1996年製作/86分/アメリカ
原題または英題:never talk to staranger
配給:コロンビア トライスター映画
劇場公開日:1996年6月15日
ストーリー
若く才気溢れる女性犯罪心理学者のサラ・テイラー(レベッカ・デモーネイ)は今、マックス・チェスキー(ハリー・ディーン・スタントン)という獄中のレイプ連続殺人犯の診断を行っている。彼女の鑑定が重大な鍵を握っているが、サラはチェスキーが多重人格ではないかと疑っていた。彼女は郊外のアパートで一人暮らしをしており、一階上にはかつての恋人クリフが住んでいる。よりを戻そうとまとわりつ彼が、今の彼女にはうっとうしい。チェスキーの弁護士が、サラが自分に対して偏見を抱いていると、チェスキーが意義を申し出ているというが、サラは彼の症状を説明した上で、あくまで公正と反論した。帰途、彼女はスーパーでラテン系のハンサムな男、トニー・ラミレス(アントニオ・バンデラス)に声をかけられた。初めは用心した彼女だったが、男のなれなれしさに気圧されたかのように電話番号を教えてしまう。北区すると、長い間疎遠だった父のヘンリーが待っていた。しかし、彼のことをよくおもわないサラは、少しの金を与えて追い返してしまう。翌日、トニーから電話がかかり、魅せられたかのように彼のアパートを訪ねたサラは、明け方までトニーとお互いのことを話し合った。彼女は5歳の時、母を事故で亡くしていた。トニーはセキュリティ・システムを売り歩く仕事をしており、共に一時、N.Y.州オールバニーに住んでいたことも分かった。サラのチェスキーに対する診断が続く。そんなある日、彼女に不吉な枯れ花が届いた。サラはトニーを疑うが、彼は激しく否定。一時のきまずいやりとりの後、2人は再び激しい愛を交わす。ところが、不審事は続き、事務所に来た妙な手紙から新聞に自分の死亡記事が掲載されているのを知る。サラはチェスキーを疑うが、最高禁固の彼に、外部との連絡など不可能だった。さらに、彼女の愛猫が無残な箱詰め死体となって届けられるのに及び、サラは誰がが自分を狙っていることを知る。彼女はデューデコフという私立探偵を雇い、明日、商売でボストンに向かうというトニーの行動を追跡調査させた。トニーはN.Y.に向かい、空港で家族らしき女性と幼い女の子の出迎えを受け、熱い抱擁を交わしていたという。トニーは明らかに嘘をついている。そんな時、クリフが何者かに襲われ、瀕死の重傷を負った。サラはトニーの留守を狙って彼のアパートに忍び込むと、意外にもサラの母の事故死を伝える古い新聞の切り抜きと自分に関する大量のファイルを発見した。アパートに戻った彼女に追い打ちをかけるように、壁に「愚か者に死を!」という殴り書きが。さらにバスルームのヒーターが落下し、危うく命を落としそうになる。そこへ突然、トニーが現れた。彼は空港の女性はサラの離婚した夫の妹であり、彼女の恋人であるトニーは、その行方を捜すよう頼まれていたと言う。そこへヘンリーが現れた。揉み合ううち、全ての事件の要因は、サラの幼児期に母が亡くなった事故にあった。幼い頃彼女は父に性的虐待を受けていて、母はそれを制止しようとして父に殺されたのだ。彼女は叔母に引き取られて育てられた。かくて心に傷を負った彼女は知らぬ間に二重人格者として行動していた。すべての事件の犯人は彼女だった。激情にかられ、彼女のもうひとつの人格はトニーとやってきた父を銃で殺した後、我に帰った彼女は、正当防衛になるよう現場を工作した。しばらく後。彼女の日常生活は元に戻っていた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ピーター・ホール
- 脚本
- ルイス・グリーン
- ジョーダン・ラッシュ
- 製作総指揮
- レベッカ・デモーネイ
- 製作
- アンドラス・ハモリ
- ジェフリー・R・ニューマン
- マーティン・J・ワイリ
- 撮影
- エレメル・ラガリ
- 美術
- リンダ・デル・ロザリオ
- リチャード・パリス
- 音楽
- ピノ・ドナジオ
- 編集
- ロベルト・シルヴィ
- 字幕
- 岡田壯平