劇場公開日 1981年10月31日

ストーカー(1979)のレビュー・感想・評価

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4.5再会

2017年5月2日
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こういうエンディング、大好きです。
色は、主人公の希望なのか。それも意識しているいないに関わらず。
妻の独白もそれを裏付ける。不幸とは、幸福とは何か。科学者、作家、ストーカーが語りを繰り広げる。

映画は、哲学映画、宗教映画という感じ。廃墟の中で延々と語られる言葉。

原作「ストーカー(原題「路傍のピクニック」)」もハヤカワSFで購入して読んだが、確かにだいぶ違っている。自分にとっては、両方とそれぞれ楽しめるものだったので、得した感じだった。
小説は、宇宙人が通った後に、悪意も善意もなくただ少し散らかして行ってしまった物達が、地球人にとっては、全く理解できないが便利だったり恐怖だったりという状況を描いている。それまでのSFでの宇宙人は、攻めるにしろ友好的にするにしろ、少なくとも地球を見ていた。しかしこの小説では、そこに地球があったことすら認識しているか怪しいのだ。

映画は、そちらのメッセージは大胆に削り、もうひとつのメッセージである、幸せとは?の方を中心に据えて、ゾーンと神を重ね合わせながら語っていく。
だから登場人物は、学者、作家(芸術家)、ストーカーすなわち宣教師なのだ。ほんとうに始まりの宣教師は、ストーカーのように神の元へ案内するだけの者なのだろう。学者、作家が、ゾーンに対してどのような姿勢をとるかは、観てのお楽しみ。

小説の方も、未知の科学技術を凝らした道具がいろいろ(話に)出るんだけど、淡々と静かに流れる。道具は話されるけど姿を見ることはないから。それでも小説はスリルを切り抜ける盛り上がりもあり、SFだった。映画は、そういう部分を極力排除した脚本で、人生観についてつきつめていく。

学生時代に名画座で観た本作品に30年ぶりに再会。20歳の自分が、「最高の映画のひとつだ」と感じた気持ちを思い出した。若さならではの面があったんだなあ。今は4.5にしておきます。思い出させてくれて、アップリンク、ありがとう。

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CB

2.5疲れた。

2017年2月26日
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鑑賞方法:映画館
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laika

3.0ネタバレあり

2016年4月28日
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saikimujin

5.0何度見ても難解、しかし毎度魅せられる

2015年4月29日
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鑑賞方法:DVD/BD

知的

難しい

劇場で見たことはないけれど、ビデオで見て、DVDで見て、Blu-rayで見て、何度見たか分からないけれど、完全に理解することなど不可能で、正直意味不明、でも何度でも惹きつけられてやまない。
何といっても力強い映像美が魅力的、しかも静寂を重んじた音楽と効果音も色あせることがない普遍性を感じるわけで、まさに名画とか芸術とかそういう称号がふさわしい。
最初はビデオで見てその絵力に魅了され、次にDVDで見たとき更に音と絵に驚かされて、Blu-rayでやっぱこれは歴史的作品だなと再確認。
Blu-rayの評判が芳しくなかったので購入をためらっていたが、DVDが1部と2部の2枚構成になっていることに不満を覚えて、1枚に収まっていることだけでもメリットだと感じて思い切ってBlu-rayを購入。実際に見ると映像そのものも明らかに良くなっていると思えたし、今一度名作を堪能できたといった感覚だった。でも、もやや霧の表現や音の響きがパワーダウンしていた印象で少々残念感も─。
何度見ても難解な映画をより理解しようとだいぶ前にストルガツキー兄弟の原作を読んだけれど、似て非なるものであり、しかも映画同様の難解さ…理解どころか謎が謎を呼ぶだけであった。
難解なゾーンという存在は、いかようにも解釈できるように仕立て上げられていて、だからこそ何度も作品に魅せられるように思う。
人類がコントロールできない存在を、抽象的に・哲学的に描こうとしているこの作品が個人的には非常に気に入っているのだが、見方を変えると、劇的映像展開がほぼ起こらないこのSFは退屈きわまりないように思われても仕方がないのかもしれない。その点、ソラリスの方が展開も事象的にも分かりやすいのかも。
タルコフスキー映画でこのストーカーは最も難解な気がするけれど、個人的にはこの作品を最も気に入っている。

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SH