「「少年たちの青春の1ページ」を描いた、懐かしさや眩しさがたまらない作品。」スタンド・バイ・ミー 焼肉定食さんの映画レビュー(感想・評価)
「少年たちの青春の1ページ」を描いた、懐かしさや眩しさがたまらない作品。
「名作」との評価が名高い本作。使用された映画タイトルと同名楽曲BEN E KINGの「Stand By Me」はあまりにも有名・・・であるが、恥ずかしながら初視聴。「少年たちが死体を探しに行く物語」という程度のあらすじは何となく知っている程度であった。
冒頭、中年男性が新聞を読んでいるシーンから自身の少年時代の回想に入り、ここからが本編。日本でいうおそらく小学6年生くらいの少年4人が、「ニュースで行方不明になっている少年の死体を見つけた」という話を聞き、死体を探しに行く物語。
「死体を探しに~」の部分だけ抜き取ると、一見ホラーもののようなイメージを持つかもしれないが、ホラー・サイコ要素は無く、少年4人のたった数日の友情・冒険譚。一言で言うと「少年たちの青春の1ページを抜き取った映画」である。
たった数日の出来事を映画にしている訳だが、少年それぞれの性格や境遇、お互いの関係性、将来への不安など、少年たちの関係性が繊細かつシンプルに描かれており、見やすいが見応えのある作品であった。
評論などは腐るほどされている作品なので、小難しい話は置いておき単純に私の感想を述べると、中年真っ盛りの私からすると「懐かしさ」や「眩しさ」を強く感じる作品。家族や将来に対する悩みや不安を、親や教師でなく友達がきちんと理解・共感し、寄り添ってくれる・・・また、仲の良い少年期の友達同士だからこそのバカさ加減みたいなのが、とても暖かく見終わった後は満足感があふれていた。おっさんである自分は前述のような感想であったが、今の10代くらいの方々が見たら、また違った感想になるかな、と思うと面白い。
兄の死や両親から冷遇されていた主人公が小説家になっている描写から、クリスの存在や言葉に救われたんだなと思うと感慨深い。クリスもまたしかりなんだろうけど。
見終わって冒頭見返すと、弁護士になったクリスが刺殺されたという記事を見て、少年期を振り返る作品なんだと、見直して理解。クリスの最期を見るにハッピーエンドとは言えないかもしれないが、後味が悪いとか言う訳ではなく、やはり「良い作品だった」という感想であった。
個人的なおすすめポイントは、少年たちそれぞれが個性があって良いキャラクターであるが、やはり主人公ゴーディとクリスの関係性。こんな友達いいなぁ、といい年こいたおっさんがしみじみ思う。視聴後は「Stand By Me」を聞きながら、回想するのがたまらんです。