「ルーカス監督の独創性と野心的な最新撮影技術の探求心が、映画史上に残る不朽の名作を創作したのだと再確認できましたね。」スター・ウォーズ ジェダイの帰還 矢萩久登さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0ルーカス監督の独創性と野心的な最新撮影技術の探求心が、映画史上に残る不朽の名作を創作したのだと再確認できましたね。

2025年5月1日
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鑑賞方法:映画館

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『フォースと共にあらんことを(May the Force be with you)』に英語読みが似ていることから5月4日(May the Fourth)は「スター・ウォーズの日」として浸透。
今年も全国7か所の映画館で全9作品を一挙上映中。
本日は記念すべき第1作『新たなる希望』から第3作『ジェダイの帰還』の旧3部作を一気見鑑賞。

『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』(1983/133分)
実際は20周年を記念して最新のデジタル技術で一部修正・変更された1997年の《特別篇》の上映。
1983年の公開当時の日本での副題は『ジェダイの復讐(Revenge of the Jedi)』。
こちらの副題の方が今でもなじみ深いですね。
「高知第二劇場」という高知市内の映画館で薬師丸ひろ子主演の『里見八犬伝』と二本立て、子ども料金800円、当時は入れ替えなしなので朝から晩まで両作とも2回ずつ鑑賞しました。
さらに当時は『ガンプラ』ブーム。
本作品のプラモデルも輸入され模型屋で販売しておりましたが、パーツの数は極端に少ない割に独特のエイジング(経年変化)とウェザリング(汚し塗装)が難しくて購入を断念しましたね。

ストーリーはジャバ・ザ・ハットの宮殿に囚われたハン・ソロ奪還のシークエンスからスタート。
その後の森の惑星エンドアでの陽気な原住民イウォーク族との遭遇、共闘はファンの間でも賛否両論ありますが、ルークが皇帝の誘引でダークサイドに引き込まれそうになるシリアスなパートとの明るい冒険活劇としてのバランスが取れて、子どもながら純粋に楽しかったですね。

撮影面では、帝国軍のスピーダー・バイクが森林を超スピードで駆け抜ける疾走感は、「新たなる希望」でのXウイングでのデス・スター破壊に次いでお気に入りです。

クライマックスのルークとダース・ベイダー(アナキン)、父と子の対決、皇帝と息子の間で苦悩し逡巡するベイダーの心の機微、最後は父として死を迎えるラストは3部作の壮大なサーガの掉尾を飾るには文句なしのエンディングですね。

父・アナキンの遺体を火葬する際、オビ=ワン、ヨーダ、そしてアナキンが霊体となってルークを見守るシーンも心打たれます。
現在の上映版で本シーンのアナキンは、若きヘイデン・クリステンセンに変更・修正されておりますが、当時はベテラン俳優のセバスチャン・ショウでしたね。
暗黒面からようやく復帰した老齢な父親が息子を見守るシーンとしてはセバスチャン・ショウの方が個人的には収まりがよく好きですね。

初公開から50年近く経過、デジタル技術が進化しテクノロジー面では圧倒的に本作を凌駕する作品は数多ありますが、映画として超越される作品はなかなかお目にかかれません。

ひとえに少年の成長譚、英雄譚、冒険譚のそれぞれのエッセンスのバランスの良さに、ルーカス監督の独創性と野心的な最新撮影技術の探求心が、映画史上に残る不朽の名作を創作したのだと再確認できましたね。

矢萩久登
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