劇場公開日 1973年9月22日

「生きづらさを抱えた二人の旅」スケアクロウ ROKUxさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5生きづらさを抱えた二人の旅

2021年1月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

ジーン・ハックマン演ずるマックスは、今でいう発達障害ではなかろうか。執拗なこだわりがあり、他人との距離をうまく測­れない性格。
一方で、アル・パチーノ演ずるライオンは、陽気でまともな人物に思えたが。パートナーが妊娠したことを知りながら、5年前突然家を出た過去がある。その深い理由について映画では何も説明されない。しかし私にはその心情が少しわかるような気がしている。子供が出来、家庭を持つことによって失われる「自由」に目が向いた時、「オレは本当にこれでいいのか」と、逡巡してしまう気持。そして、失意のもと再びパートナーの元へ帰ろうとしているわけだが。

'70年代の雰囲気満載の作品である。『カッコーの巣の上で』とよく似た感じだと思う。

ROKUx