スーパーガールのレビュー・感想・評価
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キャストと音楽は素晴らしいのに・・・
この作品について、残念に思う事が、いろいろございますので、その気持ちを、レビューという形で打たせて頂きます。
崩壊したクリプトン星から生き残った人たちが暮らす、海洋圏にあるアルゴ・シティーで、スーパーマンことカール・エルの従妹カーラ・ゾー=エルが生まれ育ち、ある時、彫刻家ゾルターが管理から借りていた、アルゴ・シティー全体の生命源を作るオメガへドロンを、カーラがいじっているうちに、誤って手放して無限の彼方へ飛び出してしまい、責任を感じた彼女はスペース・カプセルに乗って地球へ向かい、オメガへドロンを悪用して地球制服をたくらむ魔女セリーナと戦う「スーパーガール」に変身する・・・
と、いう物語なのですが・・・・・・
主演のヘレン・スレイターが美しく、強く、明るくて優しいカーラ=スーパーガールを好演し、それを支える俳優陣もピーター・オトゥール(彫刻家ゾルター)、フェイ・ダナウェイ(魔女セリーナ)、サイモン・ウォード(カーラの父ゾー・エル)とミア・ファロー(カーラの母アルラ)と名優をそろえ、ジェリー・ゴールドスミスの音楽も、素晴らしいのに・・・・・・
本当に、素晴らしいのに・・・・・・!!!
脚本がダメダメなために、大ヒットに至らなかったのが、本当に残念でなりません。
私は、この映画がヒットしなかった主な理由を、下記に分析してみました。
1.従兄のスーパーマンが地球にいるのですから、カーラも地球について、いろいろと学んでいるはずなのに・・・
例えば、アルゴ・シティーでの彫刻家ゾルターとの会話のシーン・・・
彼が作っている彫刻を「木だ」と言った時の、カーラの台詞に唖然となりました。
「木?木ってなあに??」
・・・こういう風に考えられなかったのでしょうか?
作っている彫刻について、これは地球にあるものだとゾルターがヒントを与え、カーラに、いろいろと考えさせる。
彼女は学んだ地球学を思い出しながら考えを巡らせ、『あっ、これはもしかして・・・地球で生きるのに欠かす事のできない木だろうか』と答えを出す―――
高度な文明を持つ元クリプトン人とは思えないシーンだと、私は感じました。
2.スーパーガールと魔女セリーナの対立の理由が、あまりにも陳腐で腹が立ちます!
対立の理由が「恋のさや当て」って何ですか!?
一人の地球人男性を巡って、地球の平和が脅かされるなんて、冗談じゃない!て感じです。
ドラマ版のように、「地球外生命体」から地球を守る使命を帯びて、制服を企むエイリアンと壮絶な死闘を繰り広げ、使命を全うするスーパーガールの方が、より美しく、カッコ良く描けたのではないでしょうか。
・・・その他、いろいろございますが、打ち切れませんので、特に腹が立ったシーンを投稿させて頂きました。
そして最も残念だったのは、クリストファー・リーヴ版のスーパーマンとの「従兄妹同士の絆と共闘」が、永遠に叶わなくなった事です。
その後、カーラが従兄のカールに会い、彼の指導を受け、励まされながら、地球の平和を維持する「スーパーガール」として成長し、国連にも紹介され、さらには遥か彼方の銀河系でもスーパーマンに続いて「平和大使」に任命されて、大活躍する―――
すでに「遥か彼方の宇宙へ飛び立ってしまった」リーヴ版スーパーマンとの「絆」は、見る事は出来ません。
永遠に・・・・・・
もうこうなったら、ある「スペースオペラ」とのコラボで、カーラが結婚して母となり、娘も「スーパーガール2世」となって、母娘ともに、地球だけでなく遥か彼方の銀河系でも平和のために力を尽くす物語ができないものでしょうか。
私は、もう一度だけでもヘレン・スレイター版が見てみたいです。
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