「違う惑星に生まれたの ミラクル・ロマンス。 内容は見るも無惨だが、何にせよパツキン&ミニスカはどんなスーパーパワーよりも強力なのだ🦸♀️」スーパーガール たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
違う惑星に生まれたの ミラクル・ロマンス。 内容は見るも無惨だが、何にせよパツキン&ミニスカはどんなスーパーパワーよりも強力なのだ🦸♀️
鋼の肉体を持つ男“スーパーマン“の活躍を描くスーパーヒーロー映画『スーパーマン』シリーズのスピンオフ。
クリプトン人の生き残りが住む「アルゴ・シティ」のエネルギー源「オメガへドロン」が、不慮の事故により地球へと落下してしまう。スーパーマンのいとこ、カーラ・ゾー=エルは単身地球へと赴き、女学生“リンダ・リー“として生活しつつ、オメガへドロンの行方を探すのであった…。
興行的にも批評的にも不振に終わった『スーパーマンⅢ/電子の要塞』(1983)。シリーズ復活の威信を賭け、新たな主人公を迎えて制作された意欲作だったのだが、結果としては『Ⅲ』以上の大コケ。この失敗が元となり、シリーズのプロデューサーだったサルキンド親子は映画化の権利を手放す事となり、次回作『スーパーマンⅣ』(1987)はキャノン・フィルムズで製作された。
あのスーパーマンにいとこがいたっ!…という設定の適当さには目を瞑るとしても、この出来は酷い💦
本来、本作にはクリストファー・リーヴ演じるスーパーマンも登場する予定だったのだが、撮影直前になってリーヴが降板。急遽脚本のリライトが行われたという。
それもあってか、ストーリーは破綻している。そのオメガへドロンとかいうボールが無いとアルゴ・シティは崩壊してしまうんでしょ。何を悠長に学園生活をエンジョイしてるんですかね…。
そもそも、オメガへドロンが地球に落っこちるまでの経緯もアホくさすぎる。完全にピーター・オトゥール演じるザルターの不手際が原因じゃないか。ジジイ、お前ファントム・ゾーンに行く前にまずオメガへドロンを回収しろっ!!
ティーンエイジャーの女の子が主人公という事もあり、アクションだけでなくラブコメな展開も用意されている…んだけどさぁ。
宇宙人と地球人のミラクル・ロマンスというのは物語の大きな促進力になりそうなものなのだが、本作はそこがあまりにも弱すぎる。媚薬の効果で恋に落ちてしまうというギャグテイストもどうかと思うが、何より2人が並んでスクリーンに映っている時間が短すぎる。お前らお互いの名前以外に共有している情報あるのか?
恋人とヴィランのキスを見せつけられるというのは、確かにティーンエイジャーの女の子にとってはキツいのかも知れないが、その男は出会って10分やそこらの存在だからね。それでファントム・ゾーンに堕ちるって、スーパーちょろインにも程があるぞカーラよっ!😅
お話のテンポは絶望的に悪い。前半1時間くらいは明確な事件が起こらないし、いざ事件が起こってもそれに面白みは全く無い。ファントム・ゾーンくらい虚無な作劇である。
ロイス・レーンの妹やジミー・オルセンの登場など、一応のファンサービスは用意されているものの、それで喜んだ観客がどれだけいるのかは不明。毎回出演しているにも拘らず、ジミーの影の薄さって一体何なんですかね?この人居ても居なくても一緒なのでは?
はっきり言って見るも無惨な映画である。
ただ、スーパーガールを演じたヘレン・スレイターが魅力的であった事は認めざるを得ない。ロングのブロンドヘアとミニスカートは、どんなスーパーパワーよりも強力なのだ🦸
本作は彼女の映画初出演にして初主演作であるのだが、それを感じさせない堂々としたヒーローっぷり。彼女はこの後、テレビドラマ『ヤング・スーパーマン』(2001-2011)ではスーパーマンの実母ララ=エルを、『SUPERGIRL/スーパーガール』(2015-2021)ではスーパーガールの養母イライザ・ダンバースを演じている。これらは如何に彼女の演じたスーパーガールが鮮烈だったのか、それを証明するキャスティングである。
世界征服を目論む魔女、セリーナを演じたフェイ・ダナウェイも非常に美しい。若き植木職人イーサンを誘惑する所なんか大人の色気ムンムンなのです💕
どうしようもない映画だが、スレイターとダナウェイという2人の美女を堪能出来るという点においては褒めてあげても良いかも知れない。