「倫理観の歪み」ジョニーは戦場へ行った 吹雪まんじゅうさんの映画レビュー(感想・評価)
倫理観の歪み
「キャタピラー」を鑑賞した時に知り、気になっていた作品でしたが、地元川越のスカラ座にて上映ということで観てきました。
非常に重いテーマを含んだ作品で、単なる反戦映画としてだけではなく、個人の尊厳についても深く考えさせられる映画でした。
声にならない悲痛な叫び、わずかに動く首の全力の訴え、夢と現が交錯する「無」の世界の中で自死することも叶わない…。怖すぎる。そしてそれ以上に怖ろしいのは彼を研究対象の「物」として扱う医師達。しかし、この医師達もまた、戦争に巻き込まれ、否応なしにこの研究を続けざるを得なかったのではないか。この戦争を通じた「倫理観の歪み」が本作のテーマの一つではないかと思いました。
「こんな体では生きていけない…!」ジョーの心の叫びが頭から離れません。
※余談
こんな短いレビューに2日間も費やしてしまった。それだけ軽々しく扱えない作品であること。そして深く考えさせられる作品であるということだ。
※川越スカラ座は、外観、内装含め昭和の香り漂うレトロな雰囲気のコミュニティシネマですが、資金難による閉館が迫っている状況です。現在「川越スカラ座閉館回避プロジェクト」を実施中で、LINEスタンプや川越スカラ座グッズの購入による支援が可能です。(詳細はHPにて)館内にて募金も行っております。ご興味を持たれた方は是非、この独特な雰囲気の映画館を体験してみてください。
コメントする
