「ニューシネマ的だから」ショーシャンクの空に ミカさんの映画レビュー(感想・評価)
ニューシネマ的だから
随分前に自宅で鑑賞し、評判通りの忘れられない作品になったので、今回劇場まで足を運びました。
ショーシャンク刑務所は、まるで私達の社会そのものでした。社会の中では序列がつけられ、様々な役割が与えられています。肉体労働をする者、商売をする者、知的労働をする者、管理する者、搾取する者。
例え社会(刑務所)が自由のない管理された環境であっても、管理され続けた人間は、その環境を好み、どんどん自由を恐れる人間になっていきます。アンディの様に自由を欲して脱獄を企て実行に移す人間はほとんどいないのではないでしょうか。だからこそ、アンディはカリスマ性があり、観ている私達を魅了するのだと思います。
仲間達との友情、目標に向かい努力すること、芸術に触れる素晴らしさ等、沢山のテーマが盛り込まれた作品でした。その中でも私が一番心に残ったテーマは、「あなたは、現実社会の中で本当はどういう人生を生きたいのか?」という自分と向き合う部分でした。このままでいいのか?自由が欲しいのか?大きなチャレンジをする価値はあるのか?
本作は、「暴力脱獄」が元ネタだけあって、90年代の作品でもニューシネマの香りがしてきて、そういうところも好きです。
ミカさん
みかずきです
本作、脚本&ストーリーは完璧でした。
各シーンも、言語表現主体で、台詞とナレーションで丁寧に説明しているので、分からない、曖昧なシーンは見当たりませんでした。
眼を閉じていても理解できるくらい言語表現がしっかりしていました。
しかし、本作は映画なので、言語表現に頼り過ぎではと考えてしまいます。
映像表現主体で観客に委ねるシーンがもっとあった方が映画らしい作品になったと思います。
では、また共感作で。
-以上-