「名作は力がある」ショーシャンクの空に すみれ7878さんの映画レビュー(感想・評価)
名作は力がある
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若い頃に見たのだけれどBSでやっていたので鑑賞。以前見た時よりもぐっとくるものがあった。浮気した妻とその愛人殺しの罪(のちにあることで真犯人がわかり無実であることが明らかになる)で無期懲役に処せられている元銀行家のアンディ。その周りにいる看守・刑務所所長・囚人たちのお話である。
まずアンディと言う主人公の描き方が良い。正しい努力を我慢強く続けられる、とても意志の強い人間。彼の努力で刑務所内に図書館ができたりする。彼がフィガロの結婚を所内に流すシーンも良い。ほんのわずかなご褒美。自由。そのために彼は懲罰房送りになるが、そうなっても構わないという気持ちはよくわかる。アンディと言う人間の在り方を象徴するシーンだと感じた。
ある日、アンディは自分が無実であることの証明ができそうだということをある囚人の情報で知ることになる。しかしその囚人は刑務所長によって殺されてしまう。刑務所長はアンディに裏金作りをさせているので彼を絶対に解放するつもりはないのだ。善人の皮をかぶった奴、そのうえ権力を持っている人間は本当に手に負えない。本当の悪とはこういうことだと、人に対する絶望が胸に迫ってくる。そしてアンディは脱走するのである。そりゃあそうなるよと、めちゃくちゃ納得できるストーリで説得力がある。ともすれば退屈になってもおかしくないような話なのにずっと見ていられる名作。結末がスカッとするのも良い。やはり名作と呼ばれるものには力があるなあと感心した。
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