「おすすめ映画といえば紹介されるこの映画」ショーシャンクの空に cenrivさんの映画レビュー(感想・評価)
おすすめ映画といえば紹介されるこの映画
ずっと見れてなくてやっと、見れました。
いい映画という以外全くの前情報無しで鑑賞。
1994年に公開された映画ですが、今の時代にみても全然みれます。やはりいい映画は時代をこえて語り継がれるのですね。
ストーリーは、主人公のアンディが不倫をしている自分の妻と不倫相手の男を銃殺した罪で刑務所に収監され、(アンディは無実を訴えている)そのショーシャンク刑務所での、服役囚や刑務官との刑務所の中での物語。
そして最後はまさかの結末…。
収監されてからどこか他の服役囚とは違う雰囲気を醸し出して、馴染んでなかったが調達屋と呼ばれているレッドに、趣味の鉱物採取のためのハンマーを調達依頼したことで、レッドと仲が深まる。
このハンマーでまさか脱獄するとは。。
レッドに穴を掘る気なら600年はかかるぞとジョークを言われていたが、あきらめないアンディは20年かけて穴をほった。毎日少しずつ。
図書係になったときもそうだった。他の服役囚のためにももっとたくさん本を増やしたいアンディは図書の予算を増やすために2年間毎週、予算の増加のお願いの手紙を書き続けた。
粘り勝ちで予算が降りて、きれいな図書館が刑務所にできたのだった。
アンディの考え方、生き方は処世術として見習うべきというレビューがあった。まず相手のメリットになることを実行し、その対価で自分のメリットになることを要求する。
刑務官のハドリーの相続問題に元銀行員のアンディが無償でアドバイスをする。その代わりに一緒に修理作業をしている仲間たちにビールを出して欲しいとお願いをする。自分は酒をやめたので飲めないのに。
刑務官と仲間たちのメリットになることをしたおかげで、アンディはずっと犯されそうになっていた服役囚たちから刑務官のハドリーが守ってくれて身の安全が確保された。
仲間たちからは一目おかれることになった。
図書係を一緒にやっていた、老囚人ブルックスの話は悲しかった。仮釈放されたが、外の世界では馴染めず、人からは白い目で見られ、刑務所に戻りたいと思ってしまう。50年ぶりに自由になれたというのに。結局は自ら死を選んでしまう。
ブルックスも無期懲役だったということは重大犯罪者であることは間違いないのだが、犯罪者だからと言ってこんな終わりは悲しい。
最後のアンディの脱走は、驚きからのあっという間の展開。
懲罰房2ヶ月、所長から奴隷のように扱われる毎日、自分の無実を証明してくれそうな仲間が殺される、など、もう死んでしまいたいと思わせるようなことが続く。
そんな中ロープを探していたという情報もあり。。
そして翌朝の点呼でアンディが出てこない。刑務官が中に入ると一言、なんてことだ。と。
観客は全員、自殺してしまった、と思ったはずだ。
しかし、中に入るともぬけのから。アンディは消えてしまっていた。
ポスターを剥がすとそこには巨大な穴。そこから脱走をはかったのだった。
まさかの展開!そんな大胆なことを計画しているなんてずっと表に出してこなかった。むしろ刑務所暮らしをいかに快適にするかを考えているような男だった。
そこからは爽快。これまで不正に所長が隠してたお金を根こそぎアンディは引き落とし、そのまま夢のメキシコへ。
ショーシャンク刑務所の所長や刑務官の悪事をばらして、ハドリーは服役囚殺しで逮捕され、所長も逮捕となるはずだったが自ら死を選んだ。
一方レッドは仮釈放面談を受けていた。
レッドは最後の最後までアンディの親友として出ている。すごく面倒見がよく、人柄もすごくいいので、どんな犯罪を犯したのか気になっていたが、若かりし頃にとある青年を殺してしまったという情報のみで詳細は明かされず。
そこは重要ではなく、レッドという人物が何十年も仮釈放を却下されてきたが、40年目にして仮釈放が許可される。これまでは判断される面談で、更生したのでもう大丈夫だ、と仮釈放されたい気持ちが前面に出ていたが、最後は「更生したという言葉は無意味だ、釈放など興味がない」と達観さた言葉が出たことで真の更生と判断されたのか、仮釈放が認められる。アンディの生き方に影響されレッドの考えも変わったのかもしれない。
レッドもブルックスと同じく、世間の目や何十年も刑務所内にいたことでの世間のズレを感じるようになる。
そこでふとみたショーウィンドウに拳銃。これもまた観客へのミスリード。レッドも自殺を選んでしまうのかと思わせて、その上にあったコンパスを購入した。
そのコンパスを頼りにアンディの手紙を見つけ、アンディ探しの旅にでる。
そして美しい海岸でついにアンディとレッドは再会し、抱擁するのだった。
服役囚たちはみな罪を犯しているはずで、罪を償わなければならないのは当たり前だが、それ以上に刑務官や所長までもが悪に手を染めていて、なんだか正義とはなにかを考えさせられる。結局は悪人たちに感情移入してしまう。
そしてアンディだが、本当に無実だったのかの描写がない。たしかに殺人のシーンはなかったのだが、真犯人と言っている人物の証言も裁判の内容とは若干違うので本当は真犯人ではないのかもしれない。そこを言及しなかったのは、観客に考えてほしいから、ということなのだろうか。