上流社会のレビュー・感想・評価
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ラブコメものとしては良作
評論子はアメリカの地理には決して詳しくはないのですけれども。
本作の舞台になっているロードアイランド州のニューポートというのは、どうやら高級別荘地ということのようです。
それが、きっと、本作の邦題となっている、いわゆる上流社会ということなのでしょう。
そのニューポートに居を構えるサマンサ・トレーシーは、雑誌の取材記者を煙に巻こうと、わざとらしく上品ぶった振舞いの彼女や彼女の妹は、それだけに噴飯ものですけれども。
しかし、マズい写真を写されてしまったカメラマンのカメラを、わざとらしく落として壊してしまう彼女は、なかなかの知恵者・曲者(くせもの)でもあったと言えそうです。
トレーシーは、ジョージとの再婚を決めたということですけれども。
前夫・デクスターが音楽家に転身したことも、気に入らなかったようです。
彼女は、デクスターには、官僚のような安定した堅実な生活を営んで欲しかったらしいようです。
それで、鉱山会社の御曹司というジョージを再婚相手に選んだといったところでしょうか。
父親の踊り子との浮気を知って、当時の夫だったデクスターには「完璧な夫」であることを彼女が求めただけの話で、彼に何か(夫として人格的な?)問題があったということでもなかったようには見受けられましたけれども。
結局は、スバイ社が送り込んできた雑誌記者・マイクに口説かれて、マイクとも「良い関係
」になりかかったことで、そういう完璧主義の彼女自身の殻が破れたといったところでしょう。
その意味では、トレーシーとデクスターとは、戻るべきところに戻ったというべきなのだろうとも思います。
いわば、ジョージとマイクを触媒としての化学反応で。
作品全体としては、けっこう「上流社会」のお上品な生活ぶりを背景に、ミュージカル作品としてのたっぷりの音楽に乗せて、ラブコメ要素満載で描いていたということなのでしょうか。
「愛しのミュージカル映画たち」と銘打って地元のミニシアターが上映したミュージカル映画6作品のうちの未鑑賞の一本になります。
楽器も演奏できず、歌も音痴なのですけれども、なぜかミュージカル大好き映画ファンの評論子としては。
評論子的には、まずまずの良作といった一本です。
ゴージャス!ゴージャス!ゴージャス!
タイトルに偽りなしの上流社会のゴージャスぶりをこれでもかと見せつけてくれる、ミュージカルの傑作です。ゴージャスその1・ルイ・アームストロングから始まって、ビング・クロスビー、フランク・シナトラと最高のミュージシャンが魅力的な歌声や演奏を聴かせてくれる。ゴージャスその2・グレース・ケリーの美しさと、サファリスーツから舞踏会のドレスまで次々と魅せてくれる美しい衣装。ゴージャスその3・フランスのシャトーのような邸宅と見事に再現した屋敷の内装や豪華な食器などの小道具の数々。ワイングラスはバカラかな?お話し自体は他愛ないけど、だからこそいい気分でゴージャス振りが楽しめます。役者では、グレース・ケリーのクールビューティーさとツンデレ振りが魅力的。ビング・クロスビーの低音を響かせる歌声も、素晴らしかったです。
グレース・ケリーがビング・クロスビーとデュエットするが、彼女は本当に歌ったのだろうか?
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