ジュラシック・パークのレビュー・感想・評価
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0%の確率を保つことは、不可能だ。
映画「ジュラシック・パーク」(スティーブン・スピルバーグ監督)から。
パニック映画と考えれば、予想外にメモは多かったが、
特に数学者のイアン・マルカム博士の考え方は、
監督が彼の台詞を借りて、言いたかったことではないだろうか。
「人工的な遺伝子の操作をしているから、繁殖することは絶対にない」
と言い切る研究者に、数学者はこう言い返す。
「0%の確率を保つことは、不可能だ。進化の歴史を振り返れば分かる。
生命を押さえつけることはできない。
生命は、危険をおかしてでも、垣根を壊し、自由な成長を求める。
『生命体は繁殖する道を探す』と言っているのさ」
だから「自然の力を甘くみて思いあがるとこわいぞ」と警告し、
「あなた方は、危険をもてあそんでいる。生命の力は恐ろしい。
オモチャではないんだ。
君らが用いている科学技術や知識は、誰もが手軽に入手できる。
誰かの本を読んで応用するだけ。自分たちの責任を問うこともしない。
天才が考えたことをチャッカリ頂いて、事の重大さも考えず、
手早くパッケージにして売り出す事しか考えていない!」と手厳しい。
しかし視点を変えれば、恐竜に限らず、原子力発電だって同じこと。
確かに、生命体ではないけれど、人間のコントロールが利かない点は、
「恐竜」を「原子力発電」に置き換えてみれば判りやすい。
実際、100%安全だ、と言えば言うほど、怪しいと考えた方がいい。
数学者らしく「確率」を持ち出しながらの説明は、実に端的な台詞だ。
さらに「創造は、意思が生み出す」「命は、道をみつける」
これらは「次に繋がるキーワード」と思いメモをしたのだが・・。
人間って、痛い目にあっても、懲りない生物なんだなぁ。
タブー第一弾
当時私は小学生で、安全で楽しいと思い込んでいるパーク設立者ハモンド爺さんの孫としてパークに招かれる姉弟の姉にどっぷり感情移入し、手で目を覆いながら薄目で観た。
見どころはなんといっても、恐竜大嫌いなお姉ちゃんが、恐怖を殺してスプーンをカンカンしてラプトルの注意を自分に向け、ピンチの弟を救うシーン。
そのあと、姉を気にせずあっさり別室に駆け込もうとする弟と、すんでのところで間に合うお姉ちゃん。弟って可愛げあるけどどうしてこうなんだ。スリルありすぎ!
パソコン得意なお姉ちゃんが、パークの人間も無理だった謎のインターフェースを操作して危機一髪な場面も。
ティラノサウルスがいるのに懐中電灯点けちゃったり、仕草が遅くて感電したり、2人の子供らしい行動が、ひやひやする面白さを増している。
あの恐怖体験を経て、機転が利くお姉ちゃんは勇敢なエリーのようになるのだろうかと思っていたら、いつしか自分がエリーくらいの歳ですが、何回見てもいくつになっても、怖いけど面白い。
恐竜大好きな弟のことは、恐竜を愛しげに研究し続けるグラント博士がジュラシックパーク3で言及していた気がします。3では再びグラント博士とエリーの活躍が見られます。ウー博士はワールドにも出てくるし、シリーズの基礎をしっかり堅める1作目。
お金の欲に駆られる弁護士や、大金と引き換えに安月給の激務を晴らすべく盗みの取引に応じて周りを危険に晒したシステム担当者は早々に餌食になるのは当然として、純粋に幻を蘇らせる魅力に取り憑かれリスクを軽視しパークを開いた老人の尻拭いのために、発電機を上げに行きいつの間にか腕だけになっているサミュエルLジャクソンはかなり衝撃的。
純粋に恐竜という存在を愛してやまないグラント博士と、彼女で植物学者のエリーは、資金繰りして化石を掘り起こしていた恐竜がすぐ目の前で息をし生きている事実に最初こそ感嘆しますが、肉食恐竜まで人間の手で飼育されていて管理下だと言い切る関係者たちにドン引き。本来推薦状を書いてあげるために呼ばれたはずが、命の危機に何度も瀕し、孫達の事まで守り、とんでもない目に遭って本当にお気の毒。
デキる強い女性の先駆けともいう役どころのローラダーンが、本当に近年までスターウォーズなど大作含め様々な作品に出演し続けていて、時代を生きている女性と感じる。今作もすっかりシリーズ化され、続編の作品内では確か赤ちゃんが産まれている描写もあったはず。子供はうるさいしと敬遠していたグラント博士が、今作の終わりではすっかり子供達に頼られる存在に変貌していて、微笑ましい。
予測不可能なガウス関数を研究する数学者の立場ながら、最初から遺伝子操作に疑問を唱えていたマルコム博士をさも変人かのように扱う本作だが、少し先を見る力があればすぐに想定できることの連続。
それでも、シリーズでは四半世紀たった今でも遺伝子操作による警告を続けていて、にもかかわらず、現実には遺伝子組み換えも遺伝子操作も、不妊治療のために人間の遺伝子に人が携わる機会も増えるばかり。なんだかなぁ。
ラストの、命からがら集合し救援ヘリに乗り込んだ人間達の背景に、雄大な空を飛ぶプテラノドンの群れのシーン。人間の思惑など関係なく自然の中で悠然と生きる生命体達に見れば不思議と美しさを感じるし、荘厳な自然を人が操ろうと手を加えたところで、そんなちっぽけの力では操作するどころか、首を突っ込んで余計な事をし、誰も喜ばない小さないたずらを仕掛けるだけ、程度に感じる。あんなに脅かされたラプトルがあっさりT-REXにパクリとされるシーンでも、自然界での人間の弱さちっぽけさを見せつけられる。メスだけにしても両性具有化して繁殖する恐竜にかなうはずなどない。
何十年も続編も見てきたからこそ、久々に観ると、最後に更なる大物が出てくる構成や、木の上に引っかかった車など、続編で数々のオマージュが産まれ引き継がれているのを知って見て、スリル映画の中で浸れる不思議な回顧感。そんな楽しみ方ができるようになると当時の私は知らなかった。今は子供と見ている。映画っていいな。
ジュラシックパーク
✴︎あらすじ
)恐竜の発掘を行う生物学者のアラン・グラント博士(サム・ニール)のもとへ、富豪であるジョン・ハモンド氏(リチャード・アッテンボロー)が、「資金援助の代わりに、ジュラシック・パークの視察に来て欲しい」と提案する。グラント博士が孤島へ向かうと、そこは恐竜たちが住む『ジュラシック・パーク』だった。ハモンド氏は、研究者たちを集め、クローンの恐竜を創りだしたのだった。パークの安全制御を担当するコンピュータ・プログラマーのネドリーが、ライバル会社に恐竜の胚を渡すため、島を抜け出そうとしていた。その過程で、ネドリーがゲートを開けるために電源を落としたことにより、グラント博士たちはパーク内に取り残され、安全柵の高圧電流は無効となってしまった。危険な恐竜たちに襲撃される恐怖の中、グラント博士は同行した子供たちを守りながら、島を脱出することに成功する。
✴︎感想
ティラノザウルス迫力があって凄く怖かった。
恐竜に追われる恐怖もだけど、電流の線を越えてる最中に電力を戻される恐怖もあって、常にハラハラ。
お姉ちゃんの成長もすごい!
光を消して叫ばず隠れる。弟を守るために危険をおかす。ドアのロックまで。逞しくなった。
最後は結局恐竜に助けられた。
夢のようなパーク、あったら行ってみたいけど。
最初から最後までハラハラドキドキで、すごく面白かった!
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