「現代によみがえる太古の夢」ジュラシック・パーク おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
現代によみがえる太古の夢
■ 作品情報
マイケル・クライトンの同名小説を実写映画化したSFパニックアクション。監督はスティーヴン・スピルバーグ。脚本はマイケル・クライトンとデヴィッド・コープ。製作はキャスリーン・ケネディ、ジェラルド・R・モーレン。主要キャストはサム・ニール、ローラ・ダーン、ジェフ・ゴールドブラム、リチャード・アッテンボローなど。
■ ストーリー
大富豪ジョン・ハモンドは、琥珀に閉じ込められた蚊の血液から恐竜のDNAを抽出し、クローンとして現代に恐竜を蘇らせることに成功する。彼はコスタリカ沖の孤島に、その恐竜たちを展示するテーマパーク「ジュラシック・パーク」を建設する。パークの安全性を評価させるため、ハモンドは古生物学者のグラント博士、古植物学者のサトラー博士、数学者のマルコム博士らを招待する。ツアーの途中、パークのシステム管理を担当するネドリーが恐竜の胚を盗むため、セキュリティシステムを停止させてしまう。これにより、本来は電気柵で隔てられていた凶暴な肉食恐竜たちが解き放たれ、ツアー参加者たちは恐竜の脅威に晒されながら、閉鎖された島からの脱出を試みる。
■ 感想
今週末公開のシリーズ最新作の前に久しぶりに本作を鑑賞したのですが、その圧倒的なアイデアに今なお心を奪われます。絶滅したはずの恐竜を現代に蘇らせ、それをテーマパークとして実現するという壮大な構想は、まさに人類が抱く究極の夢の一つです。
その夢のようなアイデアを映像として観られることこそが、映画の醍醐味です。当時、観客の度肝を抜いた映像表現、そしてそれを可能にした技術が、本当に秀逸で驚かされます。約30年以上も前に制作されたとは思えないほどで、恐竜たちのリアリティが尋常ではありません。まるでそこに生きているかのように、彼らが画面狭しと動き回り、その皮膚の質感や息遣いまで感じられるほどです。初めて観た時はもちろん、何度観返しても、その迫力と生命力にはただただ圧倒されます。特に、ティラノサウルスの登場シーンやヴェロキラプトルの俊敏な動きには、本当に恐怖を感じます。
また、単なるSFアクションにとどまらない深みも、この作品の大きな魅力だと感じます。人間の飽くなき探究心と欲望、科学の進歩がもたらす倫理的な問題、そして生命そのものの神秘とたくましさ。そうした普遍的なテーマが巧みに織り込まれており、スリリングな展開の中にも深いメッセージが込められています。だからこそ、今なお色褪せることなく、私たちに興奮と感動を与え続けてくれるのだと思います。