「映画史の技術革新の転機といえばサイレントからトーキーになったこと、そして本作『ジュラシック・パーク』でのコンピューターグラフィックス(CG)とアニマトロニクス技術に異論はないかと思います。」ジュラシック・パーク 矢萩久登さんの映画レビュー(感想・評価)
映画史の技術革新の転機といえばサイレントからトーキーになったこと、そして本作『ジュラシック・パーク』でのコンピューターグラフィックス(CG)とアニマトロニクス技術に異論はないかと思います。
『ジョーズ』『E.T.』と続いた『スティーヴン・スピルバーグ IMAX映画祭』も名残惜しいですがいよいよラスト、『ジュラシック・パーク IMAX 3D』が日本初上映。『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』(2022)以来の久々の3Dメガネ着用で体感。
『ジュラシック・パーク』(2D版・1993/3D版・2013)
初公開からもう32年。時の流れの早さにただただ驚いておりますが、フルCGのブラキオサウルスが登場したファーストカットの驚嘆は昨日のことのように鮮明に甦りますね。
映画史の技術革新の転機といえばサイレントからトーキーになったこと、そして本作『ジュラシック・パーク』でのコンピューターグラフィックス(CG)とアニマトロニクス技術に異論はないかと思います。
当時は技術面の驚きもありましたが、プロットの斬新さにも惹かれましたね。
本作が公開される数年前までは恐竜は【爬虫類の祖先で低温、体躯は「ゴジラ」のような二足歩行でのしのしと鈍く歩く】イメージでしたが、化石研究の進化で【鳥類の祖先で恒温、体躯も前傾姿勢で俊敏】と、幼少期に国立科学博物館で買ってもらった「恐竜図鑑」がほぼ否定されている状況で、学術的な見地で新たな恐竜像の提示にも興味関心が沸きましたね。
恐竜の血を吸った蚊からDNAを採取…実に説得力ある設定でしたね。
特に本作でフィーチャーされた小型で俊敏の「ヴェロキラプトル」は市民権を得ましたね。
ストーリー展開はありきたりな表現ですがまさにジェットコースタームービー。
一切気が緩む瞬間や無駄なシーンがなく、主人公たちと一緒に127分パークライド体験を共有させるスピルバーグ監督の演出術にはただただ脱帽。
32年経っても技術面含め新作映画に全く引けを取らない、映画史上のマスターピース、やはりスピルバーグ監督の作品はどれも最高ですね。