「SF映画にエポックを画した記念すべき第一作は、スティーブン・スピルバーグとジョン・ウィリアムズのコラボレーションの結晶でもある❗」ジュラシック・パーク kazzさんの映画レビュー(感想・評価)
SF映画にエポックを画した記念すべき第一作は、スティーブン・スピルバーグとジョン・ウィリアムズのコラボレーションの結晶でもある❗
午前十時の映画祭13にて。
公開から30年…何度観ても面白い。
スピルバーグの小気味いいテクニックのオンパレードと、ジョン・ウィリアムズの多彩なオーケストラの完璧な融合。
まだ導入部なのだが、博士たちが島を訪れるシークェンスこそがスピルバーグとウィリアムズのシンクロの本作における集大成といえる。
博士たちを乗せて島へと向かうヘリコプターに寄り添うように音楽が流れ始めると、機中の会話場面でも途絶えることなく流れ続ける。
やがて、緑繁る島の海岸が見えたその時、メインテーマの旋律がファンファーレのように高らかに響き渡る。ヘリコプターが島を旋回して滝壺のヘリポートへと降りていくまでの壮観なビ ジュアルを、重厚かつダイナミックなサウンドが引き立てる。
そして、迎えのジープのドアが開き、そこにプリントされたパークのロゴを画面の中心に収めるカメラワーク。それと同時に音楽は軽やかなテンポに変わり、島を行く博士たち一行の行進に伴走するように流れ続ける。
一行が草原地帯に到達すると、博士たちの驚く様を見せておいて、遂にブラキオサウルスの巨大な姿を映し出す。ここでメインテーマのもうひとつの旋律が勇壮かつ厳かに鳴り渡り、続いてブラキオサウルスの群れを遠景で映し出すと音楽は更に高鳴る。人物たちを手前に恐竜たちの遠景を合成した映像は、今では稚拙に見えてしまうが、その構図と音楽のコラボレーションが感動的ですらある。
驚きと感動と少しの不安を抱いた博士たちが施設の建物に入り、アトラクションの説明ブースに招き入れられるまで、間断なくオーケストラが歌い続ける。
この映像と音楽のシンクロのなんと絶妙なことか❗
たが、この映画のお楽しみはこれからなのだ!
有名な、コップの中の水が振動するカットはどうやって撮ったのだろうか。波紋がリズミカルに広がることでティラノサウルスの歩調を表現する見事なアイディアだ。
次に、水たまりの水面が同じように振動するカットでは、その水面に写りこんだ車上の博士にフォーカスを移す小憎らしいテクニックに唸る。コップの時よりも大きな波紋が、ティラノサウルスの近さを示している。
広い厨房で、子供たちがヴェロキラプトルに追いたてられるシーンでは、ステンレスへの写りこみを利用した演出が見事。
他にも、迫り来る恐竜を影で見せるなど、映画は視覚マジックによる芸術だというスピルバーグの解釈が明確に表れている。
そして、すべてのアクションに見事にマッチした音楽が一層盛り上げるのだ。
物語は、脚本も務めたマイケル・クライトンの原作小説のテーマを踏襲していて、自然を冒涜し、生命の力を軽視した人間のおごりによる破滅を皮肉的に描いている。
今夏(2023年8,9月)、本作のシネマコンサートが開催される。
総勢80名のフルオーケストラ生演奏!
満を持して…と、いったところだ。
こんばんは♪、
ご丁寧にコメントしていただきましてありがとうございました😊
きちんとご覧になられたのが2回でしたか。細部までよく観ておられるのが驚きです。
音楽には、疎いのですが、
仰るように映画と音楽が一緒に合わさってこそ作品として確立するのだと学習させていただきました。観る方も相応の知識を持っていないともったいないことも。
こんばんは♪大感動のレビューをありがとうございます😊
不粋な質問で恐縮いたしますが、何回鑑賞されていますか?
島に降り立つまでとそれからと細かく詳しく音楽を絡めて描いておられて、
感無量、というモノ、です。
パークのマークを中心に、とか
台所のステンレスに映るのを計算、とか。
目から鱗の境地であります。