劇場公開日 1993年7月17日

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「CG全盛の時代にCGに頼り切らない映画を見るのもイイモノだ。」ジュラシック・パーク YuuuuuTAさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0CG全盛の時代にCGに頼り切らない映画を見るのもイイモノだ。

2018年11月5日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

単純

興奮

世間ではジュラシック・ワールド3部作の第2部
「ジュラシック・ワールド 炎の王国」が上映されているとき
初代「ジュラシック・パーク」をAmazonプライムにて視聴した。

最新の遺伝子工学により現代に恐竜をよみがえらせ
一大テーマパークの開園を試みるところから物語は始まる。
映画の冒頭で開園準備のため恐竜の搬入を担当していたスタッフが
事故により恐竜に食べられてしまう。
作業員が檻の中に引きずり込まれ
上半身だけが外に出た状態で上下に体を揺さぶられ
徐々に体が中に引きずり込まれていく。
最後は手のアップが映り
その手も檻の中に引きずり込まれる。
襲われている苦しさやパニックさがよく伝わってくる演出だった。
ちなみにこの一連のやりとりの中で恐竜は一切映されていない。
姿を見せずに勿体付けているところがいかにもハリウッドらしい。

この事故を受けてパークの投資家たちは
「開園は時期尚早では?」と懐疑的な考えを持ち始める。
パークの責任者であるジョン・ハモンド(リチャード・
アッテンボロー)はパークを無事開演させるため
各分野の有識者をモニターとして招待し
安全であることのお墨付きを得ようとした。
そこで招待されたのが主人公アラン・グラント(サム・ニール)や
エリー・サトラー(ローラ・ダーン)など。

主人公たちが恐竜たちを初めて見たときのシーンは
今見ても鳥肌もので感動する。
特にブラキオサウルスが
背の高い木の葉を食べているシーンは印象的だった。

パークはシステムでしっかり管理されており安全に見えた
しかし、研究員の裏切り行為によって危険に陥ることに。
研究員の一人がパーク内の電源を落とし
恐竜の胚を盗もうとしたのだ。
これにより電流が流れる有刺鉄線やゲートなど
すべての制御装置が無効になってしまった。
これがきっかけで檻から恐竜たちが抜け出しパニックになる。
主人公たちは無事このパークから抜け出すことができるのか。
というお話。

演出のすべてをCGに託すのではなく
(当時は託せなかった?)
小道具や美術やカメラワークを駆使して
見せ方を工夫しているのが味わい深い。
どうすれば臨場感が出せるのかを追求しているような気がした。

すぐそこに恐竜がいるという恐怖心を伝えるため
恐竜の姿を見せずに草木を揺らしたり
近づいてきたらより強く揺れたり。
恐竜の鼻っ面だけ写し鼻息で白く窓ガラスを曇らせるとか、
カーテンに恐竜のシルエットだけ映して恐ろしさを倍増させたり。
作り手が見せ方を工夫している点が面白かった。

CG映画に見慣れた分、新鮮だった。
やっぱり名作。
今見ても色褪せていないと感じた。

この映画を見ると蚊から恐竜の血液を採取して
同じように復活させられないのだろうかといつも思う。
結果的には、今の技術では難しいらしいが……。

夢のある話は、やはり映画の中だからこそ叶うのかもしれない。
だから映画は何度見ても面白いのだろう。

Trinity