「人類の傲慢さを告発する恐竜たち」ジュラシック・パーク しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
人類の傲慢さを告発する恐竜たち
ジュラシック・シリーズ第1作。
"金曜プレミアム" で久しぶりの鑑賞。
原作は未読。
スティーブン・スピルバーグ監督が当時最先端のVFXとアニマトロニクスを駆使して、現代に蘇った恐竜たちと人類の戦いをスペクタクル満載で描いた傑作アドベンチャー。
恐竜たちを描くVFXは今観ても全然見劣りしない。子供たちの乗った車をいたぶるティラノサウルス。巨大なブラキオサウルス。草原を駆け抜けるガリミムスの群れ。知能に長けたヴェロキラプトル。まるで本当に恐竜がいるかのようなリアリティーである。子供の頃は本物だと信じていたほどだ。
檻に投入した牛がクレーンを引き上げれば跡形も無くいなくなっていたり、がさごそ動く茂みだけを見せると云った、「激突!」や「JAWS/ジョーズ」などから継承されたスピルバーグ監督十八番の焦らしのテクニックが恐怖を誘う。
ラプトルの怖さはトラウマ級だ。人間大だし、頭脳プレイを仕掛けて来るからタチが悪いったりゃありゃしない。「アーノルドさ~ん…(腕がポトりからの)あぁ、ここにいたのね…イヤー!!!」は忘れられないシーンである。
決死のサバイバルも見どころだが、本作にこめられた人類の傲慢さを打ち砕く強いテーマ性を見落としてはならない。
神の如き所業で恐竜たちを復活させた人類。生命を弄び自然の摂理に反した結果、しっぺ返しを食らうこととなった。
科学の暴走と云うゴジラ・シリーズにも通じるテーマは今尚色褪せない。寧ろ早く色褪せないといけないかもしれない。
[以降の鑑賞記録]
2017/07/28:金曜ロードSHOW!
2021/09/03:金曜ロードショー
2025/07/25:金曜ロードショー
※修正(2025/07/25)
あのドア開けて追っかけて来るヤツら、ですね。タチ悪いですね。
最後ティラノサウルス🦖に食べられましたが。
子供👶で観たら、本物と思うのですね、怖〜。
でも大人でも本物に見えます。いる筈ないから、わかりますが。
いたらどうしよう😱
terumin31さんへ。
ご指摘ありがとうございました。レビュー修正しました。
「激突!」は小さい頃にテレビで観ました。得体の知れないトラックがずーっと追い掛けて来るという理不尽さに恐怖したことを覚えています。
「続・激突! カージャック」という邦題の作品が劇場映画デビュー作ということらしいですねぇ…。同作は「激突!」とは何も関係無い作品らしく、日本で勝手に着けただけらしいです(笑)
素敵なレビュー拝読させて頂きました。
確かスピルバーグの映画デビュー作は「激突」だったと思います。無言の大型タンクローリーがひたすら追いかけてくる恐怖を描いた名作。低予算でもここまで怖い映画かが撮れるのかと感心しました。大昔、学生時代に池袋の文芸坐で初めて鑑賞した時ショックを受けました。
この映画を初めて見た時の感動・興奮は忘れません。
以来、何度見た事か。
最も好きなシーンは、パークに初めてやって来て、ブラキオサウルスと遭遇するシーンですね。
新作も楽しみです♪
スピルバーグも本作製作中、『ゴジラ』はお手本でありライバルと語ってました。