受胎の契約 ベビー・メーカー

劇場公開日:

解説

子供ができない夫婦に頼まれ、金のために奥さんに代わって子供を産んでやるドライな現代娘が、赤ちゃんが体内で育って行くに従い自然に母性にめざめていく過程を描く。製作はリチャード・ゴールドストーン、監督・脚本はジェームズ・ブリッジス、撮影はチャールズ・ロシャー・ジュニア、音楽はフレッド・カーリン、編集はウォルター・トンプソンが各々担当。出演はバーバラ・ハーシー、コリン・ウィルコックス・ホーン、サム・グルーム、スコット・グレン、ジェーニー・バーリン、リリ・ヴァレンティーなど。

1971年製作/アメリカ
原題:The Baby Maker
配給:フォックス
劇場公開日:1972年7月8日

ストーリー

現代。ロサンゼルス。ティッシュ・グレイ(バーバラ・ハーシー)は、カリフォルニア大学を卒業して、ボーイフレンドのタッド(スコット・グレン)と気ままな生活を送っていた。ある日、知り合いのカルニック夫人に、スーザン・ウィルコックス(コリン・ウィルコックス=ホーン)を紹介された。彼女はウィルコックス邸に招かれ、そこでスーザンの夫ジェイ(サム・グルーム)に紹介された。ウィルコックス夫妻には子供がいなかった。そこで夫婦相談の上、ティッシュの腹を借りたいというのだった。彼女はタッドと相談して、ジェイの子供を産むことに決め、細かい取り決めを行なった。その内容は、ティッシュに最初500ドル支払い妊娠が確認されたら更に500ドル、出産した場合は2000ドル支払うというもので、早速ウィルコックス家での生活が始まった。やがてティッシュは妊娠3カ月を無事通過し、5カ月から6カ月に入った。8カ月に入る少し前から彼女は妊娠体操の教習を受けた。これは分娩時の呼吸の仕方を教える一種の体操だった。9カ月に入ると、ジェイ夫妻は生まれてくる赤ん坊につける名前について相談した。ティッシュは、赤ん坊には牛乳より母乳の方が安全だから、当分の間自分の乳で育てたいと申しでたが、スーザンは1日も早く自分の子として育てたいといってこれに反対した。10カ月目に入り、いよいよ出産間近い徴候のあった日、ティッシュは朝早くから起きてジェイのために朝食を作った。ジェイはスーザンを呼ぼうといったが、彼女はしばらくそのままでいたかった。彼女の心境は複雑だった。スーザンが妬ましく、めざめる母性をおさえることができなかった。ティッシュは無事出産した。男の子で、退院後、彼女と赤ん坊は一時カルニック夫人の家に引き取られたが、やがてジェイ夫婦に引き渡す日がきた。約束通りの金を受け取ったものの、ジェイと別れることや、自分の赤ん坊を取られることはつらかった。別れにのぞみ、ジェイはときどき会おうといったが、彼女は断わった。もし街や映画館などで会うことがあったら、互いにうなずくだけにとどめておきたいというのだった。

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