「偉大なる大女優」終電車 ネローマさんの映画レビュー(感想・評価)
偉大なる大女優
フランス映画らしく
ストーリーの時代設定が現代でも1942年であっても
なにかを生業に日々の暮らしに生きる人の姿を描いていて
1980年に作られていながら
映画そのものが1942年に作られたかのような触感を覚える
フランス人特有の洒落た言い回しやウイットもあって楽しめた
そして
何よりもカトリーヌ・ドヌーブという女優の、もはや表現することが
不可能とさえ思えるほどのその容姿、仕草、声色の全てに美しさや
可愛らしさが溢れている
それにベルナールとその身体を合わせたときに洩れてくる
“Oui,oui・・・oui・・・”という喘ぎ声の
艶やかさが
レイモンが “灯りを消しますよ”そう言ったときに応えた
“Oui,oui!”の軽やかさとの対比が
際立って至高のエロティシズムを表現していた
ドヌーブが出演する作品は、彼女がいなくては決して成り立つことのないものになっていることが
大女優の大女優たる所以なのだろうと思う
カトリーヌ・ドヌーブという女優を見られるだけで幸せになれる
映画だった
コメントする