「私が上海リリーと名乗るのには 一人の男じゃ 足りなかったわ」上海特急 jarinkochieさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0私が上海リリーと名乗るのには 一人の男じゃ 足りなかったわ

2020年1月25日
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この台詞の通り ディートリッヒが
その筋の女だが、気ままで 投げやりな反面
一本気で、垢抜けもしてしまった様な
不思議な魅力の美女を演じている

ストーリー展開は いまいちに思えるが
彼女の一挙手一投足に 目が釘付け

スタンバーグ監督が 女性のファッションに敏感なのも
衣装担当のトラヴィス・バントンが全盛期なのも
効を奏している
もちろん彼女自身の美意識も

毛皮、ダチョウの羽根、ベネチアンレースなどを駆使した黒の衣装に (キモノガウンも)
帽子のかぶり方もお洒落
(監督は婦人帽子店にもいた!)

そして照明の駆使により
浮かび上がる彼女の白い顔と輝く金髪
くゆらす煙草の煙まで 計算されているみたい…

唐変木の軍医の元カレとの絡みも 工夫されている
軍人の帽子も似合う、そしてそれを(男も) もて遊ぶような中にチラリと本気が見える演出… 美しい…

英語がまだ、たどたどしい様に思うが(?) それも逆手に取り 可愛らしさ、女らしさに見せている

あとは 中国人娼婦(アンナ・メイ・ウォン)の存在感と 上海特急が見処かな

スタンバーグ監督のディートリッヒに対する、情熱みたいなものが感じられました
彼女の人生を決定づけてくれましたね
画面を見て、嫁が激怒してたのが理解出来ます

jarinkochie