劇場公開日 1950年6月30日

「スペクタルな前半と殉教物語の後半との大きな落差」ジャンヌ・ダーク Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0スペクタルな前半と殉教物語の後半との大きな落差

2021年3月19日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

監督が、1939年作の風と共に去りぬのビクターフレミングで1948年作。前半は確かに、英雄的なジャンヌダークが大活躍する戦争シーンがなかなかの迫力で、風と共に去りぬのスペクタルなところを彷彿させる。後半は一転して、一度は死が怖くて転ぶが、そこから立ち上がり神に殉じて火炙りにされるイングリッド・バーグマンの葛藤する姿を描き、史実通りとは言え、まるで宗教映画の様。

暫く聞けなかった神の声や天使の姿をバーグマンは聞き・見えたと話す。観客にも、その姿は見せていないが、それを話す時のバーグマンの晴れやかな表情と緑に輝くその瞳の美しさには圧倒される。

神が選んだフランス国王の人間的弱さは不可思議。そして、深い深い信心だから神がバーグマンを助けても良さそうなのにと思ってしまうが、それは日本人的な神様の捉え方なのだろうか?映画の中の多くの人々、さらにおそらく製作者もジャンヌダークの殉教を神のところに行けたと肯定的に見ているところが、ピューリタンが建設したアメリカ的ではあると思った。

Kazu Ann
ARISTOさんのコメント
2024年10月4日

デブの裁判官?こそ火炙りに相当すると思う。

ARISTO