シャドー(1982)のレビュー・感想・評価
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アルルジェント濃度の高い内容
美女が痛い死に方をするシリーズで殺しのバリエーションも豊富で腕がブッ千切れて真っ白の家が真っ赤になるのは見事っす。
あとラスト付近の真後ろに〇〇が〇〇だった時は
劇場で観ていて思いっきり飛び上がりました!
あと曲もいいしオープニング最高ですね。
この時には赤とか青の照明のサスペリアやインフェルノのタッチじゃなくてサスペリア2の感じでしたね。
【”暗闇の祈り。行動を制御する事は出来なくなった。怒りを抑える方法は一つだった。こうして彼は殺人を始めた。”イタリアンホラーの鬼才ダリオ・アルジェント監督によるサイコスリラー。】
■新作PRのためにローマを訪れた、ミステリー作家のニール。
その頃、1人の女性が自室で、ニールの小説と同じ手口で殺されているのが発見された。 さらに、彼の下へ犯人から犯行予告が届き、次々と殺人が繰り返される中、独自調査を開始するニール。
◆感想<Caution! 内容に触れています。)
・今作では、欧米及び韓国やジャパニーズホラーで描かれる様な悪魔払いの様な要素は一切ない。
あくまで、一人の疑心暗鬼及びそれに伴う殺人に魅入られた男の見えない姿が描かれる。
・タッチとしては、カラッとしたイタリアの陽光が降り注ぐ中での、斧もしくはナイフでの凶行がエロティックなシーンも含めて描かれる。
・色彩感覚もカラフルで、犠牲者の真っ赤な血の色もそれと融合している・・。。
■イタリアと言えば、陽光降り注ぐ中、”ボーノ!”とか言いながら呑気にパスタや魚介料理を食べているイメージがあるが(実際に美味い。小さな隠れ家的なリストランテで食する料理はほぼ絶品である。)、今作はそれを逆手に取っている。
イタリアのプログレッシブバンドの曲は、陰隠滅滅とした超絶技法の曲が多いが(勿論、一番は北欧メタル&プログレである。「ヘヴィ・トリップ 俺たち崖っぷち北欧メタル!」はチョー、お勧めである。)今作も、それに準じたスタイルである。
<一見、成功した作家の凶行を、可なりカラッとしたトーンで見せている今作。
エロティックでもあり、欧米の悪魔祓い系や、アジア系の恩讐系の要素はほぼ皆無の、人間の隠れた悪性の焦点を当てている点が良い。
私は、ホラーチキンではあるが、耐性度合いが大分進み、今作は面白く鑑賞出来ました。
もう、怖いもんはないぜ!>
異常さと変態性と鮮血のアルジェント美学
『サスペリア』『インフェルノ』でイタリアン・ホラーの名匠となったダリオ・アルジェントだが、原点回帰。
超常現象的なホラー要素はナシ、初期の頃のような殺人スリラー。
ローマを訪れたアメリカ人作家が殺人事件に巻き込まれる。しかも、手口は自分の書いた小説にそっくりで…。
大まかな話は真っ当なサスペンス・ミステリーを感じさせるが、そこは癖アリ。
アルジェント自身がアメリカで遭ったストーカー行為や殺人予告がモチーフらしく、何処か異常さ漂う。
それに加え、変態性。
狙われるのは、いつもながら美女。
乳房チラ見せ、パンチラ、ヌードなどのセクシー…いや、エロショットが惜しみなく。
そんな美女たちを散々怖がらせ、いたぶってから、殺す。あの獰猛な犬に襲われるシーンが一番怖いかも。
犯人のトラウマ的な空想シーンの美女はとりわけ官能さが香り立つ。
ヒッチコック路線と言うより、同じくヒッチコックを敬愛するデ・パルマの怪作『ボディ・ダブルス』と似たものを感じた。
犯人は、一周回って…異常人格。
殺しの際の鮮血はもはや美的。
異常さと変態性と鮮血のアルジェント印。
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