劇場公開日 1973年9月15日

「ヌルヌルっと忍び寄る」ジャッカルの日 チャーリーさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ヌルヌルっと忍び寄る

2016年2月11日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

レビューをしようとして、その中の「印象」を選ぼうとして、はたと手が止まってしまいました・・・。うん、これ、どれにも当てはまらないかもです。
ジャッカルという暗殺者が忍び寄る、その忍び寄り方があんまりにも抵抗感がなく、ヌルヌルと、留めようもなく、着実に近づいてきます。おそらくこのあまりのフラットな忍び寄り方に、この「印象」のつけられなさの意味があるように思います。
だって普通、暗殺者が忍び寄るって言ったら、見つかりそうになって、焦って、慌てて、逃走して、追いかけられてって、そんなことを期待するじゃないですか。でもジャッカルにはそんな様子は微塵もありません。たしかに警察は追いつめていきますよ。ひとつずつジャッカルの正体に迫っていきます。でもジャッカル自身はそんなこと、すべて想定内で、結局のところ、計画には何の狂いもないかのように、標的に近づいていくんです。
これはちょっと、不思議な映画ですよ。たぶん、これがある意味、本当の暗殺者の姿なのかもって思わせられましたですね。

チャーリー