「「薔薇のつぼみ」の意味することは。」市民ケーン 猿田猿太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
「薔薇のつぼみ」の意味することは。
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まるで歴史的映像集を見ているかのような、全て史実と錯覚してしまう凄まじさ。「フォレスト・ガンプ」を連想しましたが桁の違いを感じます。古典的名作だからこそ出来た豪快な映画でした。
しかし、ストーリーは一貫したテーマ、「薔薇のつぼみ」とは何だったのか。最後に焼却されたソリがそうであったということですが、それの象徴するのは何のことなのか。私はそこが重要では無いかと感じました。「薔薇のつぼみ」、息を引き取る間際だけでなく、妻に逃げられ、部屋を荒らし、しかし、息を引き取る間際まで手にしていたガラス細工を手にした瞬間も思わず呟いた「薔薇のつぼみ」。
私はそれを「最初に失った物」と解釈したのですが、如何でしょう。まるで全世界の王、全ての富を得たかのような彼にとって、心に刻まれていくのは「失った物」。であるからこそ、妻を失った間際もまた、思わず呟いたというのが私の解釈ですが、如何でしょうか。
豪快にして繊細な素晴らしい映画でした。それにしても、最初と最後に流れるお城の映像は凄いなあ。立ったまま入れる暖炉なんて初めて見た。
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