「見た後の哀しさがとまらない」市民ケーン てけと2さんの映画レビュー(感想・評価)
見た後の哀しさがとまらない
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薔薇の蕾の謎を追って花びらをめくるように
メディアの視点から身内の視点へ、外側から内側へケーンという花をめくっていったら何もない空虚に辿りついてしまった様で哀しさが込み上げてきました。
剥いていったら玉ねぎみたいになっちゃったよ。
蕾の神秘性はめくれば無くなり、花が開く過程の人生の成功と鮮やかさは大輪の花の様で、人が離れていく過程も鮮やかな転身から最後の1枚の哀れさまで。映画一本が人生の花を見ているようでした。
人は心の中に中に自分自身の真実を求めがちだけど咲いて終わる過程が生き様でその人の形なんでしょうね。
途中ケーン自身が自分の子を手放しているのが気になって、その子もケーンと同じようにある日突然父親に捨てられたと思って生きていたら莫大な財産が舞い込んでくるんだろうなと思うと因果は形をかえて続いていくのかもしれないですね。
親は何かしらの空虚な希望を子供にいだかせ、それがまた新たな蕾になるのなら花が咲いたら実ががみのるという事で哀しいながらも救いはあるのかも。花を咲かせる人生ってそういった蕾の中心の虚みたいなものがあるのかもしれないです。まあ、妄想ですが。
なんともセンチメンタルになる一本でした。
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