「1941年、迸る才能」市民ケーン bluetom2000さんの映画レビュー(感想・評価)
1941年、迸る才能
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オーソン・ウェルズ、25歳のデビュー作に感服。画面展開・アングル・遠近感・モンタージュなど塩蔵編集など、今ではみんなやることだけど、当時は追いつけず否定的だったようだ。
冒頭から20分、ホラー映画のような導入部は、そこから始まるケーンの人生の不気味さと通じている。
財産・勝ち負け・城や彫像といった資産と、彼が得られなかった愛や友情・心からの賞賛・名声。小市民には貧乏でもこれよりは幸せという安心感か。確かに、倉庫に開梱されていない美術品が並ぶシーンの虚しさは哀れをさそう。
2人目の奥さんと末永く幸せになるとか救いが全くなく、妥協しない徹底さがいさぎよい。とにかく。この時代でこれだけの作品、ネットワークを制する者が勝者という構図を予想した先見性は秀逸。
皮肉にもそれがあだとなって、新聞王ハーストに妨害され、審査員の忖度も相まって賞レースから落ちているが、記憶に残る作品であるのは間違いない。
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