「ガス灯のガス」市民ケーン Pegasusさんの映画レビュー(感想・評価)
ガス灯のガス
"偉大な映画"と呼んでもおかしくないほどに影響力を与えた作品。
『Mank』に備えて鑑賞しました。
とある絶大な影響力を持った大富豪であるアメリカ市民、ケーンが死に際に遺した「バラのつぼみ」の意味を知るために新聞社がケーンについて調べる、といったストーリー。
ケーンの一生と現代パートで構成され、最初の方は時系列が行ったり来たりすることに気づかす、ノーランの『プレステージ』を初めて観たときのように「ん?今どうゆう状況?」ってなったけど、構成に気づいてからは一気にひきこまれた。
今作が高い評価をされる理由の一つである撮影はやっぱり凄かった。
窓越し、鏡越しの撮影や人物の動きに合わせてしなやかに動くカメラワーク。
不気味な予感をさせる低視点配置や、画面に引きつける上からのショットなど…
現代こそ普通に使われているけど(特に韓国の作品にはよく見られる)それを1941年、約80年前にやってしまうことはやはり凄いと思う。
でも何よりも凄いのは監督、主演を務めたオーソン・ウェルズ。
この野心的な映画構造はもちろん、ケーンの青年期~死までを全て一人で演じきったこと。若い姿と年取った姿はパッと見だけでは違う役者だと思ってしまうし実際違う役者かと思ってた。
役作りまでもこだわるオーソン・ウェルズは調べなくても分かる。完璧主義者だ。
あと技術だけじゃなくてストーリーもなかなか深い。
"バラのつぼみ"の意味を知ったときは
「ほー…」ってなった。(語彙力)
ただやはり物足りない感は感じたしもっと深くできそうな気もした。
まあ未熟者である私の感想なんであんまあてにはならないと思うけど。
年取ってからもう一度観たい作品でした。
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