「大袈裟に言えば魂の救済がテーマだったと思います」シックス・センス あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
大袈裟に言えば魂の救済がテーマだったと思います
衝撃のラストだけが評判ですが、決してそれだけの映画ではないと思います
大袈裟に言えば魂の救済がテーマだったと思います
様々な理由で精神の安定を欠いている人物達の魂が救済されて本作は終わるのです
子供のころ、トイレに行くのが怖かった
誰もがそうだったと思います
お化けが出そう
ドアを閉めないでそこで見ててと、ママに言っています
小さな子供がついさっきもそう言っていました
その彼もいつしか大きくなって平気になっていきます
小さな内だけ、お化けが見えている?
そんな訳ありません
子供が怖いのは親からはぐれてしまうこと
子供だけが、とりのこされたり、見捨てられたら、自分が無力なことをよく分かっているのです
だから少しの間でも親が見えなくなるのは不安なのです
自分の言うことを信じてもらえない
自分の意志を叶えてもらえない
自分が見捨てられたのかも知れない
その不安は子供に取っては、彼にはとても大きなことなのです
死者が見えるという設定はその比喩です
なぜコールの家には父がいないのか?
なぜ兄とおぼしき少年は親父の銃を見せてやると言うのか?
どうして後頭部に銃創があるのか?
心に深い傷を負った母子家庭
魂の救済がなされないまま宙ぶらりんだったのです
子供の描いた絵を壁に飾ってある家庭は多いと思います
なぜ?
いくら親バカでも子供に大した画才が無いことぐらい分かっています
天才画家は子供時代のスケッチでも一目で分かるくらい画力が違うことは誰だって知ってます
子供が可愛いいから飾るのです
幼い子供でも自分が大して上手に絵を描けないことは恥ずかしそうにしているからわかっています
でも嬉しそうな笑顔をしてみせます
それは自分が愛されていると確信した安堵の笑顔なのです
それが彼の精神の安定をもたらしているのです
やがて大きくなって親から離れても、愛されていたという自信は彼の精神を安定させているはずです
様々な苦難、悩みにぶち当たって自信を失ったとき、愛されていた記憶は彼の心の奥底で安定をもたらしてくれるはずです
そんな映画だったと思います
誰もが、自分は家族から愛されていると確信して安堵に包まれる
魂が救済されるそんな物語だったと思います