劇場公開日 1990年2月17日

「やはり傑作。20代であの演技は凄い!トムにもオスカーを!」7月4日に生まれて TOMOさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0やはり傑作。20代であの演技は凄い!トムにもオスカーを!

2022年7月18日
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鑑賞方法:VOD

久しぶりに鑑賞。
オリバーストーンの強い反戦への想いが、トムの力強い、渾身の演技からも強烈に伝わってくる作品。
プラトーンも凄かったが、実際にベトナム帰還兵だったというオリバーストーン監督の、とにかく伝えたいという想いが、プラトーンとはまた別の視点で、実話を元に描かれている。
この作品を初めて観た時のショックの大きさは忘れない。一人の普通の少年が、7月4日という日に生まれたこともあり、愛国心を特に強く持つようになり、憧れて志願し、ベトナムの最前線で、全く想像もしていなかった現実を突きつけられ、帰還後に更に想像もしていなかった苦しみと向き合うことになる。また同じように苦しんでいる帰還兵が山ほどいるということ。ドキュメンタリーやニュースでは伝わらない、心の奥底の苦しみ、悲しみまでが、俳優の演技を通して伝わってくる。戦争は勝ち負けに関係なく、大きな悲劇しか生まないということ。
主演のトムの演技は本当に素晴らしく、あの美しいトムからは想像が出来ない、ベトナム帰還兵のロンにしか見えなくなっていた。トムはこの役作りで約1年、車椅子で生活をしていたという。ストイックなまでの役作りはもう20代のこの頃から始まっていたんだなと。
ロンの母が「あなたが大勢の人の前で演説している夢をみた」これが結果的にロンにプレッシャーをかけることにもなったのだが、最後にあのようなカタチで、ロンの生きる道が開けたことだけが救いになった。
本当に素晴らしい、語り継がれなくてはならない、世界中の人に観て欲しい作品です。

TOMO