「The horror. これ、狂ってます。」地獄の黙示録 アキ爺さんの映画レビュー(感想・評価)
The horror. これ、狂ってます。
有名な作品ですし、いつか観よう観ようと思ってた所を、今回「午前10時の映画祭」でリバイバルされたので観に行ってきました。いっやー、こんな映画どうやって撮ったんでしょう?訳わかんない。特に後半。それでも引き込まれる物がある、確かに映画史に残る作品です。
個人的になんですが、なんとなく「ワルキューレの騎行」ってベトナム戦争のイメージがあったんですよね。自分が持ってたイメージって全部この作品からきてるんですね。今まで映画自体観た事がなかったのに、何処かで端々を観てたのがイメージの形成に繋がってたのでしょう。
中盤、キルゴア中佐がベトナムの村を攻撃しに行くシーンの前にベトナムの小学校から逃げる子供達の描写を入れてたりと全然アメリカよりではなく、むしろアメリカ軍を侵略者として撮っている所がまた面白い。ベトナムからアメリカ軍が撤退したのが1972年、戦争の終結自体が1975年、この作品が1979年と、公開当時はまだまだ近い過去の話なのに、ここまでアメリカ軍の狂気を大きく取り上げるって。問題にならなかったのでしょうか?いや、問題になったから今でも有名な作品なのか?
出演陣も豪華です。正直マーロン・ブランドって昔の有名な俳優ってイメージであまり知らないのですが、不気味な存在感が半端ないです。また明るい所にしっかり登場しないんで余計不気味なんですよね。マーティン・シーンってエミリオ・エステベスにも、チャーリー・シーンにも似てますね(逆か?)。さすが親子!キルゴア中佐がロバート・デュヴァルだったなんて!写真家はデニス・ホッパーやったんや!ってか若い黒人の兄ちゃんクリーンはローレンス・フィッシュバーンかよ!等とお爺ちゃんの印象しかない俳優さん達の若い姿には観てて全く気が付かず、後で調べてビックリでした。あ、でもハリソン・フォードだけは分かりましたよ!
フランス・フォード・コッポラ監督ってまだご存命ではありますが自分が生まれる前に活躍してた監督という感じで、ちょっと縁遠いんですよね。それでもスゴい映画人である事は間違いないですね。何だかんだできっと狂気の人間なんだろうなぁ。やっぱりこの時代に比べると現代はソフトになってると思わざるをえない強烈な作品でした。