劇場公開日 2016年4月16日

「ワルキューレの騎行」地獄の黙示録 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ワルキューレの騎行

2015年8月30日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波、CS/BS/ケーブル

興奮

難しい

総合:75点 ( ストーリー:40点|キャスト:70点|演出:90点|ビジュアル:90点|音楽:80点 )

 この作品の見せ場は、何と言っても騎兵隊がワーグナーの「ワルキューレの騎行」を大音量で流しながらベトコンの村を襲う場面に尽きる。本物の兵器を取り揃え、本物のナパーム弾を投下して椰子林を焼き払い、大金をかけて作り上げた村をを攻撃し破壊する。ロケット弾になぎ倒されるベトナム兵、怯えてヘリから降りるのを嫌がる兵士、こっそり手榴弾を持って近づく女、みんなが殺し合いをしている中で、波乗りのことで頭がいっぱいの意外に信頼のある隊長が、銃弾の飛び交う中でも早速波乗りを強要する。
 映画の売上が順調でもあまりに本物にこだわり個人資産からも大金をつぎ込んだコッポラ監督を破産させてしまったほどだったが、それがゆえに映画史に残る大迫力の戦闘場面となった。この場面だけならば映像と演出は100点です。

 その村を過ぎてさらに川を上る船は、だんだんとそのようなアメリカの優勢さを示すものがなくなり、どこにいるかわからないベトナムの勢力の怖さや戦争の持つ狂気的な雰囲気に包まれていく。そしてカーツ大佐と彼の支配する部落がまた狂気に支配されているように思える。牛を切り倒す場面も狂気のように撮影されて印象が強い。
 これが戦争のもたらした狂気なのか、それとも脚本が狂気に触れて暴走して収集がつかなくなったのか。途中からの展開は難解で意味不明となる。

 このように後半が何なのかわけがわからないのがいただけないのだが、その部分も含めて強い印象を残す作品になった。個人的にコッポラ監督という名を意識させられた最初の作品である。

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Cape God