「劇場公開版リバイバル上映」地獄の黙示録 古泉智浩さんの映画レビュー(感想・評価)
劇場公開版リバイバル上映
NHK-BSで放送されていたのを見た。劇場公開版だと思ってみていたのだが、特別編を組み合わせたバージョンのようだった。
冒頭の酔拳みたいな型で鏡を割る場面は、特殊部隊で鍛えてカンフーも達人クラスの腕なように思っていたのだが、今見ると酔っぱらってふざけていただけだったようだ。
『サティスファクション』が掛かって若い黒人兵士が「これはオレの歌だぜ」というセリフがなかった。記憶違いかな。
キルゴア中佐の場面やプレイメイトの場面などなど圧倒的な場面がたくさんあった。
カーツ大佐が出てからは眠くて途中で何度も中断して寝てしまい、変な寝方をしたせいで頭痛がした。
牛がスローモーションで叩き斬られる場面で終わると思っていたら、そうじゃなかった。見た当時は「なんだこれ?」と思ったものだが、特別編で盛り上がる戦闘場面でいい感じに終わると、逆に何か普通じゃんみたいな物足りなさを感じた。あの牛の変な場面が心にこびりつく感じがしてよかったのかと思った。
劇場公開版をちゃんと見たい。
(追記)
シネウィンドで劇場公開版をリバイバル上映で見た。すると、牛をスローモーションで切る場面などなく、BSで放映されたのは第3のバージョンではなく、劇場公開版だったのかもしれない。そんな場面はそもそも存在せず、オレが脳内で作り上げた場面だったのかもしれない。牛はあっさり切られていた。
この映画は主人公のウィラードがほぼ何もしない。ボートに乗って他人の戦場をうろうろしているだけだ。特殊部隊の工作員みたいに言われていて、凄腕なのかなと勝手にこっちが思っていたのだが、凄腕かどうかも全然分からなかった。最後にマーロン・ブランドをめった刺しにするだけだった。アル中気味で精神を病んでいた。
そんな何もしない主人公だからこそ何度見ても面白いのかな。すっきり謎が解けるような映画は何度も見れない。それに何よりここまで贅沢で迫力のある映像はそうそう滅多にない。また何年かしたら見よう。