「『サイコ』をもっとカルトにした感じ」地獄のモーテル kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
『サイコ』をもっとカルトにした感じ
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チェーンソーやら屠殺場やら人間農園やら、サイコパスには違いないが、B級感満載なため、カルト的な楽しみしか出来ない。ホラーではあるものの、登場人物の演技が台詞ボー読みのため全く怖くない作品。
ドライブ中のバイカーカップルを罠にかけて、男が即死、女性の方が瀕死ではあるものの、モーテルのオーナー、ビンセントが助けることになった。恋人を失ったテリー(ニーナ・アクセルロッド)は親身になってくれたビンセント(ロリー・カルホーン)とその妹アイダ(ナンシー・パーソンズ)になついてしまい、兄弟でもある保安官ブルース(ポール・リンク)と恋仲になっていく。
とにかくサイコパスの兄妹が経営するモーテルHELLOの看板の“O”の文字が点滅して消えかかってるために、HELL(地獄)となるのが楽しい。屠殺場で自家燻製ソーセージを作り、泊まった客に売っているのだが、豚だけではなく人肉をも混入させている悍ましい内容なのです。罠にかけた旅人たちを気絶させ、畑に植えている光景も笑っていいのやらどうなのか・・・。
そんなホラーな内容なのに、テリーは保安官とデートを楽しみつつ、ビンセントに惹かれていってしまうというプロット。おいおい、そいつは猟奇殺人鬼だぞと思いつつ、何も知らないブルースも親密度を増して、馬鹿っぷりを発揮する。豚の被り物でカルト全開にしても怖くないし、こうした一途な恋愛によって人間の愚かさ可笑しさを炸裂させている。
怖さも面白さもない映画なのに、なぜだかもう一度観てもいいと思わせるところがカルトたる所以だろうか、被害者側なのに能天気な娘に魅力を感じてしまう不思議な作品でもある。
【2019年ケーブルテレビにて】
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