劇場公開日 1968年3月20日

「天使はどこにいる」地獄の天使(1967) K・Mさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0天使はどこにいる

2025年3月23日
Androidアプリから投稿

ヒロインが毅然としていて、とても魅力的でした。
肝心の主人公が野暮ったい感じで、悪党もキレっぷりがもう一つなのは〈時代〉もあるのでしょうか…
バイカーアクションの先駆け「ワイルド・エンジェル」やヘルズエンジェルの影響は大きいものの、後年の「マッドマックス」のようなカタルシスは期待できません。

ただ、前述したようにヒロインは一見の価値があります。扇情的な姿でバイクを飛ばしたり、悪党どもに一歩も引かない姿勢が清々しい。

たしかに、暴力に暴力で対抗していては殺し合いにしかならないのですが、市民が暴力に怯えたままで何人もの女性や若者が獣たちの餌食になるのを諦観するのはいただけない。
冒頭で猛禽類に襲われる野ウサギのシーン(観たくない人は、ここ注意です)は野生の営みであって、人間は野生になってはいけない。けれども、野獣と化した人間には人間が鉄槌を下さなければならないと思う。

倫理を考えさせるには足るテーマだが、この映画を観ようとする人は思考したくて観るわけでは無いのだから、もっと娯楽面を強調しても良かったんじゃないかな。

K・M