「脳みそが腐る超弩級バカ映画」地獄のデビルトラック　因果さんの映画レビュー（感想・評価）

モダンホラーの大家として押しも押されぬ人気を誇るスティーブン・キング自らがメガホンを取った一作。本人は失敗作だったと愚痴をこぼしているらしいが、いや、マジでそんなことないですよ！！

くだらない物語と贅沢な映像が化学変化で核爆発を起こしており、とにかく笑いが止まらない。トラックのみならず自動販売機や芝刈り機までもが街の人々を惨殺して回る。そうはならんだろ…と喉元まで出かかった疑念を映像の暴力が跡形もなく粉砕してしまう。

ただ、繰り返すようだが本当に金だけはかけられているので、二次会のノリで考え出されたみたいなふざけたデザインのトラックにも無駄に存在感がある。こんなものに少しでもビビらされてしまった自分が情けないやら恥ずかしいやら、いやなんでこっちが負けた気分にならなきゃいかんのか。

AC/DCの脳みそ空っぽな挿入歌や間抜けな効果音も作品のバカバカしさを加速させている。バカ映画の殿堂なるものがあるとすれば本作はその最上位に位置づけられるべきである。『シャイニング』や『スタンド・バイ・ミー』で敬虔な気持ちになっている人々の口に無理やり突っ込んでやりたい超弩級バカ映画だ。