ジェニーの肖像のレビュー・感想・評価
全2件を表示
肖像画にジェニーへの愛が凝縮されている
公園でのジェニーとの邂逅が生むときめき。ジェニーを愛する気持ちが、売れない画家イーベンの絵に魅力を備え、売れる画家へとなっていく成長譚が良い。そして次にジェニーと会う約束をする度に、もう二度と会えなくなってしまうのではないかと思わせる展開が切ない。そんな切ないストーリーを、劇中に挿入される音楽が盛り上げていて良かった。
ジェニーとの出会いを誰も信じてくれないと言うイーベンに対して、「あなたが信じていればそれでいい」と声をかける画商の女性の言葉は、達観した大人の優しさに溢れていたのが良かった。
メトロポリタン美術館で飾られるジェニーの肖像画は、彼女に対するイーベンの愛が、絵画という形で凝縮されていて泣けた。
サスペンス?ホラー?ファンタジー?、「君の名は」などヒットアニメの元祖的要素に衝撃
小学生の時にTVで見た記憶があって、何故かやけに印象深く残り続けた作品であり、その前後に古書店でたまたまパンフレットを見つけて買って持っている。
しかし、内容の記憶があやふやになっていたので、最近になって数十年ぶりに再鑑賞した。(なんか恐怖映画までいかないが、サスペンス的なイメージがあった。)
サスペンスかと思いきやホラーみたいな展開になったと思いきや、最後はSF、orファンタジーだったオチ?
主人公二人の現在と過去の時間が交錯する展開、近年ヒットしている日本のアニメ映画の元祖的展開に驚きを覚えます。
この時代のこんな発想を既に映画化していたなんて!?
ハリウッドの大物プロデューサー、デヴィッド・O・セルズニック氏である辺り、ただものな作品では無いと納得も。
なにしろ「キング・コング」、「スタア誕生」、「風と共に去りぬ」、「レベッカ 」「第三の男 」、「武器よさらば 」など、映画史に残る作品だらけですから、ありきたりな作品に終わるはずも無いですね。
兎に角、制作された年度から考えると、可成り凄い作品です。
このような、あらゆる要素で掴み難い展開、先取り感が凄すぎる。
これらの要素が遺伝子のように、後の作品へと流れていった(クリエーターへに大いに影響を与えた)事は間違い無いでしょう。
モノクロ作品ですが、「肖像」部分のみカラーというのもある意味、すごいと…..
間違えなく、「名作」と思います。
言い方を変えると「恐るべき作品」とも…..
全2件を表示