「痺れた!フレンチフィルムノワールの金字塔」サムライ(1967) あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
痺れた!フレンチフィルムノワールの金字塔
アランドロン32歳
正に男盛り、若さに渋みが加わって、いい男に磨きがかかりすぎなくらい
画面に映っているだけで
それだけで映画になっている
原題もサムライ
そのタイトルだけで、もう痺れる
冒頭の武士道からの一節で本作のテーマをいきなり宣言し、それを期待を遥かに上回るレベルで映画を堪能させてくれるのだ
まずアランドロンの主人公の造形
トレンチコートにグレーのハットは超有名だ
ボタンダウンのドレスシャツに細身の黒いネクタイ、黒に近い濃いグレーのスーツ
もうこれだけで降参だ
次に映像
実にスタイリッシュ、無駄がない
青みのかかったフィルターを使ったかのような色味が全体の雰囲気を支配する
そして演出
冒頭に見せる小鳥の鳴き声が大きな意味を持っているなど見せ方が小粋
無駄なセリフは皆無
最後に音楽
カッコいいたらありゃしない
映像がそのまま音楽に変化したかのようなマッチ具合だ
その他にも脇役陣、端役にいたるまで、見事な配役と演技
一部の隙もない傑作だ
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