「偽りの砂中に一粒の真実」寒い国から帰ったスパイ everglazeさんの映画レビュー(感想・評価)
偽りの砂中に一粒の真実
クリックして本文を読む
東西冷戦時代、ドイツに潜入していた英国諜報員達を描いた作品。
スパイもクビになったら普通にハローワークに行くのか??随分お金がなさそうだけど、年金とかないの?と最初は何をしているのかよく分かりませんでした。殴られた店長さんは良い迷惑(^_^;)。案の定、観客も騙されていた訳ですが。
いかに他人を欺くか。
騙されていると見せかけて、騙す。
あえて疑惑の目を向けさせて信頼を得る。
大義の為なら多少の犠牲は仕方ない。そこは東も西も同じでお互い様。しかし目的の為には、一枚も二枚も上手に、冷酷に、綿密に作戦を練らなければならない。
主人公は、スパイなんて所詮クズだと語ります。もっともな主張を掲げる陰で、汚い手を使い人命を犠牲にしているのだと。ベルリンの壁の向こうで待機していたSmileyを見て、上司や同僚も例外なくクズであり、たった一つの約束も反故されたことに気付いたのでしょう。そして自分も例外なく犠牲を払わなればならない小さな駒に過ぎないのだということ、塗り重ねられた嘘の中で、真実は自分を受け入れてくれたMiss Perryの想いだけであることを悟ったのでしょう。
(あんまりすぐ主人公に急接近するので、途中までMiss Perryもスパイだと思っていました(^^;)。)
共産党諜報員達の上下関係はかなり厳しい体育会系?主人公の突き刺すような鋭い視線が印象的でした。
コメントする