「サスペンスタッチで進む前半と、疾走する後半。何度観てもピーター・ジャクソンの才能にうっとりすること間違いなし!」さまよう魂たち kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
サスペンスタッチで進む前半と、疾走する後半。何度観てもピーター・ジャクソンの才能にうっとりすること間違いなし!
ぶっ飛んだピーター・ジャクソン。『ブレインデッド』、『乙女の祈り』と彼の才能が開花し、ハリウッドでも認められ、アメリカにて製作された。そして製作総指揮にはロバート・ゼメキス。この路線を突き進めば、『ロード・オブ・ザ・リング』なんて生まれなかったろうし、エグい・グロいB級ホラー監督の巨匠となっていたことだろう。
幽霊退治なんて生易しいストーリーではない。心臓発作による連続殺人犯ジョニー(ジェイク・ビューシー)は、かつて12人を殺したという幽霊の仕業だったのだ。死神をモチーフにした殺人犯の幽霊。当時15歳だった恋人パトリシア(ディー・ウォレス)も共犯なのではないかと疑われていて、FBIから偏執狂の捜査官ミルトン・ダマーズ(ジェフリー・コムズ)もやってくる。
このダマーズがうざいキャラでヤバい奴。とにかくフランク(フォックス)を犯人にしたくてしょうがないのだ。フランクの幽霊の友だちが解決してくれるという甘い期待を抱いているとしっぺ返しを食らう。なんと死神ジョニーに殺されてしまう(幽霊なのに?)。このハチャメチャな展開がピージャクらしいところ。安易な展開にはしないのだ。
死神ジョニーを倒す最終手段は何だ?と思っていたら、フランクが自ら仮死状態となって自分を幽体化することだった。そしてパトリシアも本性を現わし、彼らと対決する。ジョニーの遺灰を教会に撒けばOK!!と落ち着きそうなところで、うざいダマーズに邪魔される。そして、彼はパトリシアの銃弾で首が飛んでしまう(笑)。そのライフル銃にしても、いつの間にか懐中電灯を巻きつけてあるところが笑える。
そしてフランクもついに2人の悪業の餌食に・・・と思いきや、今度は2人が揃って地獄へと落ちる(?)。死んだはずのフランクも天国の友だちや亡き妻に「まだ来るべきときじゃない」と諭され、現実の世界へと戻る・・・