サイコ(1960)のレビュー・感想・評価
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面白かったー! 途中までぼーっとしながら観てたけど、ラスト30分の...
面白かったー!
途中までぼーっとしながら観てたけど、ラスト30分のたたみかけがドキドキした。
有名な入浴シーンも観れてよかった。
眼が全てを物語る、恐怖と罠のミステリーを凝縮したサイコスリラーの代名詞的傑作
サイコスリラーの代名詞的なヒッチコック監督の代表作の一本。ヒッチコック監督の商業映画としては「裏窓」「鳥」に並ぶヒット作で、当時の批評家からは正当な評価はされていない。しかし後年、映画史的にはエイゼンシュテイン監督の「戦艦ポチョムキン」で有名な”オデッサの階段”と並ぶモンタージュの模範として”シャワーシーン”が取り上げられるようになった。1960年代後期に表現の自由が解放されるようになり、今では刺激的な表現が巷に溢れる映像情報過多時代から見直せば、確かに衝撃度は低い。真っ赤な血はモノクロ映像のため濃い灰色だし、流れる量も少なく、ナイフが躰に刺さるカットもない。細かいカット割りで視覚を刺激し、大きく開けた口のアップと、流れる水の音に重なるマリオンの悲鳴と刺さるナイフの音で恐怖を煽る。シャワーカーテン越しに謎の人物が忍び寄り、姿を現してから鳴るバーナード・ハーマンの不気味且つ緊迫感のある音楽が、全体のイメージを聴覚に植え付ける。この作品で初めて水洗トイレが映し出されたという事を知れば、いかに規制や限界がある中で、様々なテクニックを駆使した殺害シーンをヒッチコック監督が創作したか理解できるのではないか。また、見直して感心したのが、絶命したヒロインの眼のアップからテーブルに置かれた新聞紙の包みを経て、丘の上にある館に移動するパン撮影である。後半の観客を罠にかける最初の重要なカットになる。
この映画は、”眼と罠の映画”と言えるかも知れない。全体のカメラワークは遠景がほとんどなく、タイトルバックの後のフェニックスの街並みを映すのみで、後半はスタジオ撮影のベイツ・モーテルが舞台となり、およそ傍観的で説明的な表現のカットはない。マリオンを演じるジャネット・リーは、妖艶さを内面に持つ女性美を眼に表現できる女優として、ヒッチコック監督がキャスティングしたか演技指導したのではないか、と思える演出の冴えと意図がある。車で恋人のいる町へ向かうシークエンスは、殆どがハンドルを握るマリオンを正面から捉えたアップカットで、怯え慄く心理を表現する。彼女が想像する事件後の関係者の会話をモノローグで語り、それに反応したマリオンの眼が逃亡者の心理を余すことなく表現している。それに対して、仮眠していた彼女を不審に感じたパトロール警察官のサングラスが巧い。モノクロ映画で黒の恐怖を効果的に使うのは、「見知らぬ乗客」でも披露していたが、こちらも印象的だ。警察官の表情が分からない不安さを、マリオンと一緒に観客も同時体験することになる。そして雨が降り出して視界が悪くなる中、ベイツ・モーテルに引き寄せられるように辿り着くまでのモンタージュが、更に彼女の追い詰められた状況を彼女の眼で表現する。
鄙びたモーテルで一時の安心を得るマリオンは、一見好青年と見えるノーマンと話す内に、剥製づくりの趣味と暗い過去を背負う背景を知るが、人生には罠があるという彼の話で目覚め、翌日早くフェニックスに帰り自供することを決意する。その先の瞬時の残酷な仕打ちを受けたマリオンの眼は、お金で不幸を追い払う罠と新たな謎の罠に嵌ってしまった人間の悲しみと当惑に包まれている。そしてヒッチコック監督は、彼女を追悼する形で観客に巧妙な罠を仕掛けていく。
主演のアンソニー・パーキンスは、「友情ある説得」「胸に輝く星」「死んでもいい」など代表作はあるのだが、余りにもこのノーマン役が強烈な印象を与えたため、キャリアの後半は作品に恵まれなかった。ただ、この一作で映画史に名が刻まれることを想えば、忘れられることのない俳優としていつまでも語られると思う。マリオンを演じたジャネット・リーも然りであろう。ヒッチコック監督の演出テクニックとハーマンの強烈なインパクトを奏でる音楽で表現された、罠に掛かった人間の眼を映像表現した映画の独創性豊かな傑作。
ミステリアス&スリラーな展開
とある事務員の女性が大金を預かるがそれを持ち逃げしようとたくらみ、途中で寄ったモーテルで、精神を病んだ若いモーテル経営者に殺害されてしまう。
そのモーテル経営者は過去にの忌まわしい体験をもっていて、、。
効果的なBGM、役者を追うカメラワークが主体、不気味なシーンになると顔アップに寄るカットに移る。シンプルだが効果的なカメラワークには学ぶべきものがある。約60年前の映画だが、スリルある映画。とても素晴らしい。
先が見えないエンターテイメント
元来、映画は映画館で観るものだと思っているので、レビューも基本的に映画館で観た映画しか書いていませんが、気がつけば3ヵ月以上も映画館に行っておらず、ずっとレビューも書いていませんでした。
その間、テレビで映画やドラマなどを観てお茶を濁しているのですが、
『羅生門』や『ゴッドファーザー』3部作、そしてこの『サイコ』など、テレビで観ても最後まで目が離せない傑作があることを改めて痛感している今日この頃。
テレビの録画で観ただけなので、決して「鑑賞済み」にはしませんが、久しぶりにレビューを書きます。
これぞ映画!
これぞ傑作!
モノクロの妙味!
人の脳は殆んど不明、つまり脳の働きの機微は未だに殆んど解明されていないという事を、まざまざと見せつけてくれる。
素晴らしい脚本!
素晴らしいキャスティング!
この作品のあらすじを語るのは、無粋というものですね。
白紙の状態で、先が見えないエンターテイメントを楽しみたいと思います。
テレビ放映でも一気に見られたということは、劇場ではいかばかりか…
コロナ収束の暁には、大劇場の精細な映写で、改めて堪能したいと思う大傑作でした。
言わずと知れた
アルフレッド・ヒッチコックの有名サスペンス映画。1960年製作なのでカラー映画もあった時代だけど、監督の意向で前編モノクロで作られたそうな。伏線の回収も鮮やか。なによりも、印象的なカメラワークが多くて一つ一つ不気味で気になる。殺害シーンだけやたらと雑。
やっぱ面白い。1を見たら すぐに2を見て!
2を見ればどれだけ1が面白いのか痛感する
1に関してはレビューは必要ない
構図 カット 演出と音響、様々な点で教科書でありパイオニアなのは間違いないでしょう。
じゃあ飛び上がるほど面白いのか?と言われれば 2019年の今となれば、そこまで面白いものではない。 しかし、
一般家庭にテレビも冷蔵庫も洗濯機も無い時代に創られたエンターテイメントの原本といえる資料的な面白さだ。
逆に2を見れば 『下らない映画はどういう物か?』というのが凄く良く分かるので
映画の良し悪しを感じるモノサシが伸びること間違いなし。
なので最高な1と最低な2を続けて見るのがオススメです。
ジャンル・スイッチ・ムービー
☆久し振りに鑑賞☆
小さい時に良くTVでやっていて(朧気な?記憶)、凄くお気に入りだった監督。
子供の頃は、マリオンがお金を持ち逃げしたことも、何であのモーテルに立ち寄ることになったのかとか、良く解らなかったです(笑)。
一見すると好青年のノーマン・ベイツ。
奥の応接室や瞳の奥に見え隠れする不気味さや、鳥の剥製作りを語る嬉々とした雰囲気は、彼の内面に潜むpsychopathそのものなんだなぁと思った。
前半と後半でストーリーが全く異なるジャンル・スイッチ・ムービー。
1本で2度おいしい作品ですね。
シャワーシーンでマリオンが襲われるシーンに使われるBGM「The Murder」も、余りにも有名過ぎて、今では誰が聞いても“襲われるシーン”だと判る程定着してますよね。
ヒッチコック監督作品では、他には「レベッカ」(これだけは原作を読んだ(笑))や「裏窓」「フレンジー」、特に「めまい」(←やたらリピート鑑賞した(笑))が好きなので、また改めて観たいです。
序盤からずっとシャワーシーン待ちだったけど、思いのほかチープだった...
序盤からずっとシャワーシーン待ちだったけど、思いのほかチープだったなあ。しかしヒッチコックは展開が読めそうで読めないのが、面白い。今見てこれだけ面白いって当時どんなだったんだ⁉ラストシーンのゾッとする感じとか、うまいよなあ、、、。ただ、ヒッチコックって目のモチーフが多いけど、あれそんなに良くないんだが、、、。しっかしあの引き裂き音みたいなんはやっぱり怖いよ。
脚本の大勝利
DVDにて初見。面白かった・・・。未観の人は、絶対に前情報一切なしで観てください。約束してください。
シナリオがとてもとてもとっても良くできており、あくび一つすることなく、文字通り釘付けになりました。
ヒッチコックと言えば、変態的な変な、通向けの映画を作ることで有名(?)ですが、本作は僕みたいな普通の人(自称)が観ても普通に面白かった。ただし、前情報は一切れずに!
ジャネット・リーが主人公かと思いきや、そうじゃなかったん!?・・・と、物語は思わぬ方向へ向かいます。この振り回される感じがこの映画の最大の魅力なので、前情報は一切入れずに。
映画史に残るあの「シャワーシーン」を経て、ラストはちゃんとしたヲチで締めくくられます(ちゃんとしないヲチで締めくくられていたのがアンダー・ザ・シルバーレイクでしたが・・・)。
僕は完全に騙されました。完敗です。
あと、オープニングクレジットがめっちゃカッコイイ。デパルマやスコセッシの映画を彷彿とさせます。このオープニングを観ただけで、良い映画だな!と思えます。
何度見ても新しい発見があり、わかっていてもドキドキしてしまうから名...
何度見ても新しい発見があり、わかっていてもドキドキしてしまうから名作なのだろう。子供時代に見た時は本当に怖かった。
『ヒッチコック』も合わせて観ると楽しい
みんな大好きヒッチコック。原作未読。
例のシャワーシーンだけは何度も見たことがあるが、映画本体は初観賞。
仕掛けもさることながら、カメラワークなど撮り方もどれだけの影響を後世に与えたことだろう。
少し前に観た『ヒッチコック』のおかげで余計に楽しめた。
「パラマウント」のマークが出るだけで、プー、クスクスとなってしまう。
ベイツ・モーテル
沼から引き上げられる車でのENDが最高な終わり方で素晴らしい。
主人公だと思っていた女性が有名なシャワーの場面で中盤から展開が変わり公開当時に観た客は斬新に感じたであろう!?
探偵が階段のシーンは転げ落ちずに微妙な描写だし基本的にツメが甘いノーマン・ベイツ。
妹と姉を逆にすればってか明らかに妹の方が老けていて年増な女!?
ヒッチコックを見つけられた。
ヒッチコック史上最高の構成
この1週間毎日ヒッチコックの映画を観ているが特にサイコとレベッカが良かった。
ストーリーの構成と話の持って行き方が両者ともにずば抜けて素晴らしい。
ヒッチコック監督が1960年に当時宣伝で上映中の途中入場を一切お断りにし、最初から最後までこのエンターテイメントを楽しんでもらうのにはこのような素晴らしいストーリー構成が原因であるのにも納得である。
ストーリーの始め、主人公は女性であるとあたかも思わせるが、途中からスポットライトの当て方が変化し、モーテルの青年と秘密の母親にと向けられる。
そして最後まで観ている者に母親は生きていて彼女がやったと思わせる。それを巧みな映像と編集、人々を惹きつける力によってサイコの世界観に魅了され映像と一体になる。
こんなにも映画に入り込み、その世界を体験しているようにも感じさせる素晴らしい映画はあまりない。
素晴らしい脚本家、素晴らしい監督によるサイコ。
この映画で1番有名なシャワーのシーンはナイフが突き刺さる度にカットが入り、カット、カット、カット、そのカットのすべてを利用して女性をナイフで切って行く。素晴らしい映像と編集技術である。
実際にサイコに登場するノーマンとその母親が住む屋敷があるハリウッドのスタジオを訪れたことがあるが雰囲気はまさしく映画そのもので、何とも悍ましく負のオーラ全開。
この映画が醸し出す負のオーラとサイコキラーな感じ。それに伴い、その雰囲気を生かした音楽そのすべてが素晴らしい。
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