「邦題に罪あり。」コングの復讐 syu32さんの映画レビュー(感想・評価)
邦題に罪あり。
「キング・コング」シリーズ第2作。
DVDで鑑賞。
主人公はアン・ダロウでもドリスコル船員でもなく、コングをニューヨークに連れて来て大騒動を巻き起こした張本人、映画監督のカール・デナム氏に変更。
彼が事件の賠償のためにつくった借金を返済するため、再び髑髏島に赴き映画撮影をしようと企んだところから物語がスタートしました。
コングの息子が登場しました。
「どこに隠れてたの?」と質問したくなるほどに前作では影も形もありませんでしたが、そこに関しては何も言うまい…続編づくりのテンプレートのようなものだから(笑)
彼は父親とは違って、人間にめちゃくちゃ好意的。愛嬌のある顔立ちが何とも言えずかわいい。島を訪れたデナム一行に懐き、襲い掛かって来る獰猛な恐竜たちから、身を呈して守ってくれるのでした…。何ていい奴!
しかし、運命は何とも残酷でした。何の前触れもなく、突如として島の火山が大噴火! 大規模な地殻変動で島が沈没を始め、その災禍からデナムたちを庇いながら、自らは島もろとも海に呑み込まれてしまうのでした。
…うむむ、何じゃそりゃ!(笑)
正直な話…中身は皆無。前作のようなエモーショナルな展開も、籠められたテーマ性も、これっぽっちも見当たりませんでした。
肝心の特撮もクォリティーが大幅ダウン。急拵え感が否めない…。同じウィリス・H・オブライエンとは思えませんでした。
そして何より、邦題がイカンでしょうよ。全然“復讐”しとらんじゃないか! このタイトルに騙された人は多いんじゃないでしょうか? 斯く言う私もそのひとり…(笑) 原題を訳した「コングの息子」で良かったんじゃね? でもそれだと、客が観に来ないか…トホホ。