「コマンドーは日本で生まれました。アメリカの発明品じゃありません。我が国のオリジナルです。しばし遅れをとりましたが、今や巻き返しの時です。」コマンドー たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
コマンドーは日本で生まれました。アメリカの発明品じゃありません。我が国のオリジナルです。しばし遅れをとりましたが、今や巻き返しの時です。
元特殊部隊の軍人、ジョン・メイトリックスが、攫われた娘を奪い返す為に奮闘する80'sアクション映画。
主人公ジョン・メイトリックスを演じるのは、『ロング・グッドバイ』『ターミネーター』の、ハリウッドのアイコン的俳優、アーノルド・シュワルツェネッガー。
「コマンドーは好きだ。」
「コマンドーがお好き?結構、ではますます好きになりますよ。
さあさどうぞ(ガチャ。
コマンドーのディレクターズ・カット版です(バタン 。
痛快でしょう?んああ仰らないで。
音声が吹き替え。でも字幕なんて見かけだけでシュワちゃんは棒読みだし、字幕は短いわ、言い回しが陳腐だわ、ろくな事はない。
ギャグもたっぷりありますよ、どんな映画ファンの方でも大丈夫。
どうぞ鑑賞してみて下さい、いい声でしょう。余裕の声だ、馬力が違いますよ 。」
という感じで、鑑賞してみました。
通しで観るのは初めてのはずなのに、ネット・ミーム化され過ぎていて、何故か何度も観たことがあるような感覚に陥ってしまう。
もはやカルト映画と言っても過言ではない作品。
何故カルト的な人気を誇っているのかといえば、この作品が80'sアクションの完成形とも言える黄金比で成り立っているからだろう。
『ランボー』ほど悲しくもなく、『ダイ・ハード』ほど知能指数が高く無い。『沈黙』シリーズほどルックが地味でもないし、『プロジェクト』シリーズなどのジャッキー作品ほど型にハマっていない。チャックノリスやドルフ・ラングレンの作品にはない華もある。
全く頭を使わなくても良い上、ド派手な爆発や男たちの筋肉が縦横無尽に駆け回る。
グロも有ればオッパイもあるのに、ラブロマンスはないという潔さ。
「俺はこういう映画が観たいんだ!」という、破壊とおバカを愛する一部の好事家の理想に完璧にマッチしている、時代が生んだ奇跡的な作品と言ってよいでしょう。
シュワルツェネッガーという、歴史に残る筋肉モリモリマッチョマンが、1mmも練られていないガバガバな脚本の元、ただただテロリストを虐殺して回るという、なんか逆に難解で高尚な作品なんじゃないかと錯覚してしまう映画。
もうなんか凄すぎて所々で爆笑してしまった🤣
いちいちツッコむのは野暮ってもんだけど、最後のドンパチシーン、もう娘のこと忘れてるだろっ😅
まだ居場所分かってないのに、というかあれギリギリタイムリミットに間に合ってないよね💦娘が自力で脱出してなかったら殺されてたわけだし。
「こんなの映画じゃないわ!シュワのついたコントよ!」
「だったら観ればいいだろ!」
時代が進むにつれ評価が上がっていっている感があるが、これはポリコレだなんだで映画界が良い子になっていくことへのカウンター・カルチャーとして、アイコン化していっているということでもあるのだろう。
とはいえ、日本における『コマンドー』人気は異常な熱を帯びている。35年も前の作品なのに、4Kデジタルだの応援上映だの、未だに異常な盛り上がりを見せている。何が始まるんです?
何でこんな事態になっているのかといえば、そんなもん言うまでもなく日本語訳のクオリティと声優の熱演。これに尽きる。
はっきりいって、吹き替え版と字幕版ではもはや別の作品と言っても過言ではないでしょう。
ヘイヘーイ…平田勝茂だ、悪かねえぜ。
本作の翻訳をしているということで、平田さんのことを知ったという人も多い筈。
そして、洋画を吹き替えで観るか字幕かで観るか悩んだ時、DVDのパッケージ裏を見て平田勝茂さんの名前を確認出来れば吹き替えで観る、という人も結構いるのではないだろうか。
「OK!(ズドーン)!」
「残念だったなぁ、トリックだよ。」
「ただのカカシですな。」etc…。
脳裏に焼き付く台詞を書き出していったら、全ての台詞をピックアップしなくてはいけなくなるだろう。
とにかく決め台詞を言いたがる80'sアクション映画と、平田勝茂さんの妙訳の相性が最高によく、こと『コマンドー』においては神懸かり的な調和を見せている。
そして声優陣!
演技と声質が達者なトークロばかり、よく揃えたもんですなぁ。
玄田哲章さん、石田太郎さん、土井美加さん、阪脩さん、坂口芳貞さんなど、吹き替えに興味がある人なら一度は聞いたことがある声優が、イキイキと演じている様子には胸が躍る。
日本の声優人気が、『コマンドー』人気に拍車を掛けているのは間違いない。
個人的に一番好きなキャラは悪役のベネット。というより、『コマンドー』ファン=ベネットファンと言っても過言ではないと思う。OK?OK!(ズドン!)
圧倒的なカリスマ、というタイプではないが、正確に味方戦力を分析する冷静さやメイトリックスへの警戒心には、百戦錬磨の軍人としての風格がたっぷりと表れている。
そして、メイトリックスと戦いたくてしょうがないというあの闘志が最高!メイトリックスのこと好き過ぎて、なんか犬みたい🐶
ベネットを演じるヴァーノン・ウェルズ。この人の顔が最高なのよね〜💕
もうクライマックスの一騎討ちは睨めっこ対決だろ🤣
『マッドマックス2』といい、美味しい役を持っていくよなぁ。もっと有名になってもいいのに。
そしてセリフの面白さが最高!平田勝茂さんの筆がノリに乗っているのがわかる。
それを大ベテランの石田太郎さんが吹き替えるんだから、もうこれは言うことなし!
野ぁ郎ぉぉぶっ殺してやああぁぁる!
この映画でシュワルツェネッガーの方向性が固まったという意味でも、映画史的な重要性を持つ作品。
いや、メチャクチャな映画だよ、これ。メチャクチャなんだけど面白い。面白いんだけどメチャクチャ。
もっとシナリオを整理出来るんだけど、整理したら『コマンドー』じゃなくなってしまう。
鹿と戯れるシュワ。アイスを食うシュワ。かくれんぼが下手なシュワ。逮捕されるシュワ。パンイチでその肉体美を披露するシュワ。シュワシュワシュワシュワシュワ🙄…。🤯!。…😇♪。
映画というよりシュワちゃんのイメージ・ビデオ。
だがそれが良い!それで良い!
アクション密度1000%!
それが『コマンドー』!繰り返します『コマンドー』!
ふぅ…、書き終わった…🥵
頼みがあるんだが…、オレを起こさないでくれ。死ぬほど疲れてる🥱😪😴💤
レビューの文章の所々に劇中の印象的なセリフが(笑) 笑いながら読んでしまいました! 印象に残るセリフはみんな同じなんですね♪ 子供の頃から数え切れないくらい観てました!