劇場公開日 1996年3月2日

「レッドグレイブの のびやかな演技」湖畔のひと月 jarinkochieさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0レッドグレイブの のびやかな演技

2019年2月6日
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1937年の イタリア、コモ湖の高級ホテルを舞台に、滞在客の 恋のやりとりを描いた、コメディ
軽い恋の 四角関係といったところか

中高年のベントレー(レッドグレイブ)の 自由闊達さが、気持ちよい
年下のイタリア青年が、惹かれるのもわかる のびやかさだ

彼女の本命は 同年代の大佐(フォックス)で、
中高年男性が 陥りがちな 勘違いをしてくれる
さりげなく 気働きの出来る、イタリア青年連中とは 大違いである

でも、空回りする大佐の中の 孤独、みたいなものを理解し 好意を持つ彼女がよい
カメラが趣味の、洞察力の賜物か
(あの大佐には、こういう人が 確かに必要)

ホテルの女主人(アリダ・ヴァリ)は さすがの存在感だった

イギリスのチェーホフと 呼ばれるのが わかる、
H・E・ベイツ原作
ベントレーの写真の中に、幸せな日々は 記憶されたが、あれから人々は どうなったのだろう… と思わせもする結末

jarinkochie