「"Take Care Of All My Children"」子供たちをよろしく 万年 東一さんの映画レビュー(感想・評価)
"Take Care Of All My Children"
今現在の日本で例えるなら歌舞伎町のトー横キッズが当てはまるか、って四十年前から世界中が何にも変わっていない現実に驚く、子供がまともに通っている学校の給食ですら貧相でショボいし。
シアトルで屯する若者達、いや、子供たちは孤児でもなければ施設を脱走した訳でもなく、生まれ育った家庭で家族と生活が出来ない環境の中、自らが判断と決断をし選択した状況下で生きる術を身に付けながらギリギリを得意げに歩んでいるようで。
劣悪な環境を生きる子供たちを悲観したり悲惨さや感動を煽る演出は皆無で、何気ない会話と起こる事柄や何人かの子供に絞って追いかけてみたり、リアルを傍観しながら存在するカメラと子供たちの日常が自由と不自由の狭間で痛々しい。
ペネロープ・スフィーリスの『反逆のパンクロック』やラリー・クラークとハーモニー・コリンが組んだ『KIDS/キッズ』にサフディ兄弟の『神様なんかくそくらえ』が描いた世界観は確かに存在している、何十年も前から、そして今現在でも。
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